naoズfirm

フューリーのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

フューリー(2014年製作の映画)
3.7

命がけの戦い🎬

ストーリーはナチス・ドイツ崩壊目前の1945年4月、戦車フューリー号に乗り込む5人の男たちの姿を描いた作品でした。今作は戦争の酷さ・代償を痛いほど描いていました。撮影には実際の戦車を使ったり、体験談を基に作られた為リアリティが高く、どんどん引き込まれていくストーリー展開を通じ、まるで自分がリアルな戦場にいるような空気感がしました。また突然放り込まれた新兵のノーマンの体験を通じ、戦争の不安感や恐怖感を観る側に終始煽られ続けていたような気がします。見所はノーマンの成長と喪失感です。ストーリー中で、無理やり捕虜を撃たされたり、最愛のエマ・仲間を失ったり、戦争によって耐えることのできないほどのつらい体験をしました。そんな中でもノーマンは怒りを糧にドイツ兵を次々と倒していきます。前後半ではまるで別人のようになり、一人の兵士として祖国のために戦い続けました。今作のタイトルである"フューリー"は怒り、憤慨、激怒という意味です。自分を認めてくれた人、愛した女性、良心、戦争を通じノーマンは多くのものを失いました。自分は一体何の為に戦っていたのか、彼の頭の中でこの疑問がグルグルと駆け巡っていたと思います。またストーリー全体を通じ、アメリカが正義でドイツが悪者というふうには描かれていませんでした。そして歴史ではこの後アメリカが戦争に勝ちますが、勝利の為なら犠牲を厭わないと言いますが、得たもの以上に失ったものが多く、天秤ではかることができない、まさに戦争とは一体何の意味があるのかということを投げかけた作品でした。
naoズfirm

naoズfirm