原作とは雰囲気を少し変えた…意欲作ではあるし、キャストも固めていて、ただの「青春映画」「実写化」の域は脱してるけど…いかんせん原作がそこそこの長さがあるので不完全燃焼感がすごいです。笑
あえて原作漫画の全てを描かずに「友情」「絆」「少しの恋愛」というジャンプの真髄に近いところに焦点を絞っていて、「金と知恵」までのスタートダッシュを主にしたのは大正解だと思います！
ラストも立ち直り早すぎると若干は思いましたけど、これからの展開を感じさせる爽やかさで嫌いじゃなかったです。
でも原作を知ってる身からすると…物足りなさを感じてしまうのは仕方ないかなと思います。これからが面白くなるんだし、映画で描かれる作品はあくまで「漫画家としてのスタートラインに立つ」という序盤〜中盤にかけての部分であって、さらに漫画家としての自我や大人になってくうちに得た考えを高めてくという「成長」のパートが薄いのは物足りないなぁと思いました。
あとは完全に好き嫌いの問題だとは思うんですけど、熱血に振り切らずにスタイリッシュさを強調したCG？が個人的にはハマらなかったかなぁと。
たしかに新妻エイジとのバトルをスピード感や焦燥感を持って描くには良い描き方だとは思うし、狙ってるであろう効果は獲得してると思うけど…いきなりだったので、そのバトルの熱量についていけず。笑
音楽に関しては新しいなって思ったし、純粋にサカナクションのファンなので楽しめました！この映画にサカナクションをキャスティングしてくれた製作者の方に感謝です！
キャスティングも光ってました。
演技はと言われる方々を多数起用して、いわゆる「若手俳優の登竜門」的な青春映画にはなってないっていうのは嬉しかったです。ドタバタ劇・漫画的描き方を踏まえつつ、ちゃんとドラマも描いているので面白いです。
ただ小松菜奈ちゃんはアズキには合わないかも…と思ってしまいました。イメージの問題ですけど、アズキの「素朴だけど芯の強い女の子」っていう『素朴さ』は合わないなと…原作ファンがまたなんか言ってるわって感想ではあるんですけど。
演出もろもろ含めて意欲作だなぁとは思うけど、やっぱり漫画がいいなと思ってしまいました。
