スターであり続けるのはともするとスターになるよりも難しく、きらびやかな世界にはそれに相対するレベルの深い闇と病みがある、ということだろうか。
ハリウッドの裏側の、セレブ達の暗部や蝕まれた精神状態をシニカルに描いた、喜劇とも悲劇とも言える物語。
ドラッグ、SEX、役を得るための手練手管、傲慢な態度や野心、それと裏腹な極度の不安や焦りから来るメンタルの病い、さらには薬による幻覚。ハリウッドの俳優や関係者が皆堕落しているなんてことはないだろうけど、劇中、実名がポンポン出てくるのが自虐的でもあり、シニカルな話に一定のリアリティを持たせる効果になっている。
一番印象的だったのはジュリアン・ムーアの渾身の演技。どんなシーンでもやり抜く彼女の女優魂にはびびった。泣きわめいたり取り乱したりはともかく、レズに、3P、車内でのバックからの行為、はてはトイレに座って”便秘気味なの” と言うシーン。大女優が何もそこまで・・と思ったけれど、そこまで役に徹することができることこそが大女優に至らしめた原動力の一つなのかも。やっぱりスターは楽じゃない。。
