けんぴ

Mommy/マミーのけんぴのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
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【あらすじ】
とある架空のカナダを舞台に、ADHDの息子スティーブと気丈な母親ダイアンの親子愛を描いた作品。

【感想】
没入感が凄かった……

画面のアスペクト比が1:1なのはドラン曰く「プライベートムービーの表現方式で没入感を高める意図がある」とのこと。
シネマティックな楽しいシーンや、母親がIfを夢想するシーンのみフルスクリーンで、それ以外はほとんど1:1の画面でしたね。

あとは向かいに住むカイルの視点で親子のことを見ていたから、当事者意識的なのを持てたのかもしれない。

ADHDもとい発達障害に対してどれだけ許容できるかで本作への評価が変わってきそう。

カイルの立場だったら、まだ良い。
もし母親の立場だったら、これめっちゃきついなと感じてしまった。

ただ、劇中での親子の愛は本物で、
僕の想像できないレベルで崇高だから、ダイアンは我慢して、スティーブのこと見捨てなかったのかなと思いました。

手を上げないポリシー貫いてたし、スティーブを守るためにあの手この手で奮闘していて、母強しといえどダイアンが心配になるレベルでしたよ😢

ダイアンの強さを象徴するシーンとして、終盤のカイルとの別れも胸にジーンときた。

スティーブとも離れた状況でさらに親友も引っ越して離れるのは凄い寂しいはずのに
「トロントに引っ越すなんて素晴らしいはね!」と気丈に振る舞うのは、相手を気遣う優しさ強さはフィールしてしまう……

そんな彼女が最後スティーブに対して下した選択はリアルなもので、
それが本作を鑑賞後もADHDを考える余韻、余白を生んでいるのが上手いなと思いました。

冒頭に施設の女性?からあった、「愛情だけじゃ解決できない」といった現実的なセリフに回帰したというか、ただのフィクションでは終わらないのが非常に僕好みでした。

ラスト走り出して終わる映画は良い映画多いですね。
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