ぴろもーど

Mommy/マミーのぴろもーどのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
4.8

ずるいなーこれ。

1:1の画面に最初は戸惑いました。
DVD壊れてる?なんて思ったりも。しかし鑑賞していると段々、その閉塞感と窮屈さが今作の登場人物達の心境、つまりは現実を諸に表しているのだと気が付きます。

実際に若き天才と称される監督も、『キャラクターの内面にぐっと近寄りたい、そのためには、画面の真ん中にあるものに焦点をあてるべき。そう思ってこの比率を好んで使った。自分の好奇心を満たすためにやったためにやったわけじゃない。』とコメントを残しています。

お洒落だけれど、ストーリーの軸となる設定は重い。ADHDを抱える15歳の少年スティーブ、自分の全てを犠牲に貧困に悩みながらもその少年を育てる母親ダイアン、近隣に住む吃音症のカイラ。この3人の良好的な関係がずっと続けばいいのに。現実は辛い。

画面が世間でいう一般的な16:9に戻ったときのあの解放感、力いっぱいに自由を表現している点も含め、作品全体にこれでもかというほどの理想と現実を突きつけてくる辺りもう言葉になんて出来ない。

wonderwallの流れるシーンには鳥肌。

いい作品に出会った。ほんと。
皆んなが絶賛するだけあります。
もっと早くみれば良かった。