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Mommy/マミーのBFのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
4.1
例えば、考え方として、1+1=2になったり、1+9=10になるように、物事が足されていくと、単純に大きくなっていく。
良いことばかりが続けば幸せは増えていく。

だけど、生きていれば辛いことや、希望を抱けないことも沢山ある。むしろ、幸せを感じるより多くのストレス、悩み、苦労が積み重なることがほとんどだよね。

日々の出来事や、自分にできることは限られてしまって、増えても小数点のように細かく足していくことで精一杯。もしくはマイナスをいかに小さく食い止めるかを必死にもがきながら生きている人だって多いはず。

だからこそ人は希望を抱くし、理想を描くし、諦めない。そうでなければ立っていられないし、なりたい人にだってなれないから。

自分の愛する人が居て、愛してくれる誰かがいて、その幸せを知った時、きっと生きる意味を得ることができる。それは生まれた時から母親の愛情を受けるように、初めてできた友達から手を差し伸べられるように、きっと多くの人に与えられるべきもので、諦めない為のエネルギーだ。

しかし、、、耐えることも、そう単純で無いことを、この物語から知らされる。

この映画の主人公たちは、ほんの些細なことや、未来のために、今日の一粒を摘んで大切に握りしめるようにして、日々の少しの自由さを、少しの特別を決して逃さないよう、確かに感じ取っていく。
立ち上がっては崩れ、また踏み出しては躓いて、その表情と描写、音楽に脚本から、伝わってくる選択と展開の素晴らしさに感動した。

スティーヴのもつ魅力、吸収させてもらったものはとても大きい、心動かされる作品。
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