正方形のスクリーン。
ぎゅぎゅっと追い詰められた日常。
苦しいけど愛があるから生きていける。
だけど、
愛しているから苦しさから逃れられない。
難しいことは分からないけど
嫌なことは嫌だし、
驚きが怒りにも変わる。
正方形の狭められた世界から
オアシス ワンダーウォール が
掛かって自由になる瞬間。
何にも気にすることはない。
何にも邪魔するものもない。
解放された あの空気感は鳥肌が立った。
そして、現実を突きつけられるシーンも
画角の使い方がいちいちズルい…。
ふがいなくて、もどかしくて、哀しくて
共感して納得する映画ではないけれど
ドランの仕掛ける、訴えかける
「愛 」も 「希望」も
ただただ綺麗なものではない、
目に見える傷や痛々しさと
目に見えない痛みや傷を伴って
人間くさくて簡単には説明できない
感情が入り混じっているからこそ
深い余韻が残るのだと思う。
ドランの 光と音楽の使い方 最高。
ラストも良かった。
Lana Del Rey – Born to die
