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Mommy/マミーのけのレビュー・感想・評価

Mommy/マミー(2014年製作の映画)
3.8
美しい映像と素敵な音楽とのリンク、
アスペクト比1:1の正方形の画面の中ですすむ物語、
人の顔がぼやけたり、突然音が遠ざかったりする不思議な映像効果、
と、この映画を語るのに多く意見されるであろう工夫たちは
素敵な映画にするための創意工夫なんかでは全くなくて
ドラン彼自身にみえている世界そのものなんだろうな、と思った。

画角が狭いのは、それだけ彼が世界を窮屈に感じていて
且つものすごくひとの表情だけに焦点をあてて物事を捉えているから、のように感じたし、
わたし自身もADHDだから、人の顔がぼやけたり、音が遠ざかったりして感じるのは、経験がある。


ものすごくつらいシーンなのに、ものすごく美しく描かれていて
その分、事実以上にとっても悲しく感じました。

あとこれ、母親のダイアンも相当にADHDだしアスペだと感じたのだけど、ほかの方のレヴューみててもそう書いてる人は見当たらなくて、どうなんだろう。
私の思い込みかしら。

救いもないけど、絶望もなくて、つらいことといいことがだらっと続くのが人生なのですよね。
そんなことを突き付けられたような気がして、わたし自身この先生き続けるのがしんどくはなったのですが。。
おもしろい映画、だいすきな映画、というかんじではないけど、
本当に観てよかったし、人生でもう何度か観たいなと思う映画でした。

ラナデルレイのBorn to dieのdieは「死」であり「母ダイアン」なのだと気付いた瞬間は、まるでそのふたつの意味が殆どイコールだと言っているようで、それが一番つらかった。
け