イーストウッドの作品を初めて見たのは「パーフェクトワールド」。この作品が面白いと思わなかった以降、イーストウッドの作品からは離れていたのだが、これはめちゃくちゃ良かった！
戦争映画には、「こんなことがありましたよ〜」と客観に問いかけるタイプの作品と、時代背景の説明もないまま主人公の主観で苦悩や葛藤を描くタイプの作品があるけど、この作品は後者、アメリカとイラクの間に何が起こり、なぜ戦争に至ったのかの説明が全くない。主人公たちが善なのか悪なのかすらわからない。
この映画を見て感じる感覚は、戦場で戦っている兵士の感覚と似ているのではないかと思う。
常に緊張感の張り詰める戦場とゆったりした時間の流れる家族との日常、この対比とリズムを表現する演出と、ブラッドリークーパーの演技が凄く良かった。
