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アメリカン・スナイパーのmのレビュー・感想・評価

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)
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ずっと見たかったけれど、メンタル的に見れなかった映画。



緊迫した戦場で、ずーっとアドレナリンが出まくっている中で、あえて冗談を言って笑ったり、恋人とえっちな電話したりと、違和感が凄かった。常識外の状況って、普通じゃないって、なんて奇妙で恐ろしいんだろうって思った。あんな環境下に置かれてる人が、平和なアメリカで家族と暮らすのってとてもむずかしい事なんだなって感じた。

戦場のクリスは本当頼もしくてかっこよくて自慢の男だけれど、戦場から離れると短気で、常に神経すり減らしていて、仕事のことばかりで、パパらしいパパではないし、奥さんのやりきれない想いやストレスが凄く伝わってきて辛かった。
彼にとっては自分は何も変わってないはずなのに、国のために仲間を守るために頑張っているのに、愛する人に「あなたに人間に戻ってもらいたい」って言われてしまうの。ほんとしんどい。
私達は奥さん側の平和な場所で生きているし、この平和が当たり前で常識で、その価値観で生きてる。お互いがお互いの価値観を押し付けあってそれを理解できない、理解してくれないって思うしかなくなっていく後半、離れていく家族との距離感が辛かった。

仲間を守るために射殺した。守れるはずの仲間を守れないことが辛いって自分を責めてしまう優しささえもしんどかった。



そして最後の一文。実話であると突きつけられるエンディング後の無音のテロップ。
映画館で見てたら気が狂いそう。
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