映画おじいさん

日本の悪霊の映画おじいさんのレビュー・感想・評価

日本の悪霊(1970年製作の映画)
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ただでさえ放つものが多い佐藤慶が、二役で出ずっぱりの主演作。ヤクザと刑事がドッペルゲンガー。立場を入れ替えてお互いの相手方に潜入。
慶が慶に話しかけ慶が慶に答えるというシーンがいっぱいあったり、そういう意味でもファンタジックな風刺コメディでした。

イントロの画を観ながら誰か数人で世間話するテイでの状況説明は面白かった。
もしDVDで観ていたならばオーディオコメンタリーをONにしてしまったかな?と思ってストップ→設定画面としていたはず。

下敷きとなる事件やらあるみたいだけど、知らなくても充分に楽しめた。ATGながら観念にも走り過ぎてなくて、充分に娯楽作品だったし。原作を無視した形で相当反感もあったみたいですが。。

カッコつけた映像が多いけど、それらが古くなっておらずカッコいいのが凄い。こういう映画がやりがちなイタイところが少なかった。つまり映画が古くなっていない。なので当時のフォーク〜全共闘〜ヤクザを切り取った風俗映画としても優秀なのでは。

口を閉じずに喋る岡林信康が特出の割りには長く重要な登場は嬉しい。「監督が言うから〜」みたいな楽屋オチ的セリフとかも私の中ではギリギリセーフ。

小物っぷりが光るヤクザの親分役の俳優さん(高橋辰夫)が素晴らしいけど、自殺して亡くなったそうです。。

ガテン系仕事直後で正直ちょっとだけ寝落ちもしたので、機会があったら再観したい作品です。