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ぼくを探しにのtachiken0511のネタバレレビュー・内容・結末

ぼくを探しに(2013年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます


気が狂うレベルで感動した。
意見は分かれて、一般的に評価されることは難しい作品かもしれないけど、この映画は自分の感性をどストレートに撃ち抜いて、ただひたすらに放心状態で感動させる特別な作品になった。

ショメらしい口数少なくして語るような演出で、その上で伝えたいことはビジュアルでしっかりと伝わってくるカット続き。
仏題の『アッティラ・マルセル』は『ベルヴィル・ランデブー』のサントラにも含まれている楽曲の曲名で、歌詞もサントラ盤のライナーノーツで何度も読み返して、当時小2だった自分にとってはちょっと変わった歌詞としか伝わってなかったけれど、成長すると共にその歌詞に含まれてる深い意図なども解るようになり、本作を見たら、ポールの父親像が明確な上で、付け加えられる予想外な情報もあり、両親の事故のシーンなどはとても感慨深いものになった。(その要因もなかなか面白い仕掛けになってはいたが…)
昔からこのサントラの曲を聴いていて重要だったことは、歌詞の意味合いを知ることじゃなくて、その曲自体を聴き続けて思いいれの深いものにしていくことだったということ。

この作品で描かれてるように、幼い頃の感覚や記憶というのは、日常的で詳しくなく、直接的に目に映った状態や心情そのものがストレートに視覚されるもので、その情報に関して詳しい説明もいらないけど、視覚だけの情報のみで伝わってくる率直な映像だけで切なさや楽しさなどの心情や状況が把握できて、そのほうがインパクトもあって観客に影響も与えやすい。その説明しすぎない部分がまさに、幼い頃の記憶そのものなんだと感じた。

ついでに。ショメ監督の初実写映画ということもあって、公開当時はかなりテンション上がったけど、観に行くことができなくて、レビューをみると割と普通だったから期待値は下がったものの、実際レンタル鑑賞してみたらとんでもない傑作だったっていう…。BDは確実に購入するだろうな。

メモ書き程度にしかまとめられないけど最高傑作だった。
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