夫に愛されたいと作ったお弁当が配達人の手違いで妻を亡くした孤独な初老の男に届き不思議な文通が始まる。
なんで、恋愛ってうまくいかないんだろうって悲しく思うくらいそれぞれのキャラクターを愛おしく感じた。人生のドキドキと悲しみが全て詰まっているいい作品
初老の男性のキャラクターがとても愛おしい。皮肉屋で人と関わりたくないという態度を隠さない。そんな人物が少しずつ主人公に惹かれ、柔らかく若々しくなっていく。…しかし自分を見つめてしまう。夢見るだけではいられないなんて悲しい。現実は残酷だ。
一つ一つの要素がとても心に残る。
上の階に住む、料理が得意なおばさんは、扇風機が止まってしまったら寝たきりの夫の命が消えてしまうと信じ発電機を買う。
初老の男の後任者は、美しい婚約者のために列車の中で野菜を刻み、食事をして夜の散歩をすると話す。
また初老の男の洗面所のくだりがとても心動かされた。なんて悲しく素晴らしい表現なんだろう
そして、やっぱりお弁当が素晴らしかった。
誰かを思って作るごはん、相手を想像して食べるごはん。
両方の楽しさを感じられる。
この映画を観ていたらカレーが食べたくなってしまったくらい美味しそうだった。
いい映画だった。