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ある優しき殺人者の記録のMikiMickleのレビュー・感想・評価

ある優しき殺人者の記録(2014年製作の映画)
3.8
白石晃士監督がオール韓国ロケで撮った2014年日本・韓国映画。

ジャーナリストのソヨンは、幼馴染みのパク・サンジュンから連絡を受ける。
精神病院から抜け出した27歳の彼は、18人を殺 し指名手配となっていた。そして、自分の事を記録して欲しいと、ソヨンに依頼したのだ。日本人カメラマン田代(もちろん白石監督)を連れて向かったのは、廃墟となっているアパートの一室。
サンジュンは何故精神病院に入ったのか、何故18人(実際には25人)も殺 したのか、その一部始終が明らかとなっていく……

86分間ワンカット(風)の密室サスペンス。

白石監督の作品をずっと見ていると、どこでカメラを切って繋げたのかはわかるけど、普通に見ていたら違和感もなく、リアルな長まわしで撮っているように見えます。実際にかなり長いカットで撮っているのは間違いないです。
そこのカメラ切り替えの繋ぎ目をうまくごまかしているのは、もちろん編集力もだけど、やはり脚本の怒濤の展開であると思うのです。
息つかせぬスピード感。
登場人物の個性の強さ。
たった5人(あと2人いるけど)で繰り広げられる密室でのせめぎあいと暴力は迫力があり、段々と狂気的になっていきます。
そして相変わらず斜め上を行きます♪
この事件に巻き込まれる日本人カップルのDQN具合と性癖が、またw おいおいマジかっ‼

『オカルト』とかなり共通するところがありました。異界、お告げ、アザ、時空間、殺人…

そして今作はスプラッタ要素とスリラーと愛のドラマ性が目をひきます。
最後はうるっとなります……(T_T)

の前に、やっぱりすごい展開があって、
いつも思うのは、積み上げてきたリアリティを一気に自ら壊す白石監督の度胸のよさ‼これがまだ、白石ワールドの面白さであるんだけど、今回もすごいの出て来ます。
いろんなものが入り交じった感動作です。
倫理を問われる映画でもありました。
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