切ない…みんな可哀想でした。大切なものを守りたかった、取り戻したかった、それだけなのに…それが歪んだ愛だとしても。
炎で焼かれ崩れ落ちるその時に、濁っていた目が優しいトンの瞳に戻った気がした。愛するあまり夫を引き留めたムイ。最後には、自分も一緒にゆく事で死を受け入れた。だから魂の入れ物である体が屍のまま此の世に遺され、成仏出来ずに彷徨っていたトンの魂も在るべきところへ戻り、そして二人で消えていった… そういう事かなと思いました。
でも結局は、すべて死ぬ前にみた夢だったのか？妻と子と離れ、たった独りで此の世を後にし、灰のように死んでいくのは余りにも寂しすぎる。そうでない、それとは別の自分が死ぬ理由が欲しくて自身で作り上げた走馬燈だったのか…？ 孤独な死に、存在に、想いを馳せずにはいられない映画です。
映像がスタイリッシュ過ぎる！特に水中のキョンシーが美しく印象的。音楽も素敵でした。もう一度観たい。あと、夫婦のお部屋が可愛かったなぁ。ドライフラワーとかミシンとか♡
