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キョンシー/リゴル・モルティス 死後硬直のIKEのレビュー・感想・評価

4.2
香港映画の終焉を告げる作品。
キョンシーの歴史の終わりを告げる作品といった方がいいか…

キョンシーといえば昔はコメディタッチでわくわくさせてくれるようなものだった。
ホラーだけど、どこか笑えるような楽しいものだった。まさに香港の高度成長に合わせた、人々のこれからの時代に期待をかけるような明るいものだった。
日本で言うと釣りバカ日誌のようなものだ。

だが今作品はどうだ。全体的にダークで暗い。
昔のキョンシー映画に出てたキャスト達が出演しているが、シリアスな演技をしている。昔のようにコメディタッチな演技はしてくれないのだ。ここに香港映画界(キョンシー)の閉塞感が現れている。

主人公は昔のキョンシー映画に出ていた。
あの時を思い出しながら、現代にそぐうキョンシー映画を作り上げたのだ。

そしてもう昔には戻れないということを知り、あの結末に繋がるのだ。

もうこれからキョンシー映画は作られないのだろう。
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