邦画の良さっておそらく間であったりセリフや行動、または風景やセットでその人の揺れる心情を読み取れることだと思うのだけれどそれが邦画はつまらない、とか淡々としているって言われる所以だとも思う。
だけれどこの映画はそれがすごく良くて、段々と明かされる4人（とは言っても今回はサチ姉がメインだとは思うけど）の抱えてる問題が少し少しほぐれていく事でストーリーもちょっとずつ展開していくのが心地よかった
長編スペクタクルもファンタジーも楽しいけれど、やっぱり邦画の良さって人生そういうもんだよなあと日常のちょっとした問題や感動を共有できることなんだよな
だから四季折々の鎌倉の情景も、どんなことがあっても時はすぎていくしその時が人間関係もゆるませてくれるし、その情景の美しさに気づいたときに問題を乗り越えて成長できるものなんだなあ。
お父さんのお葬式では新緑の山形、すずが心を開きかけて友達とも関係を築けたと確信したときには桜のトンネル、おばちゃんの死や母との確執を受け入れたときには雨の鎌倉と初夏の海辺。
綺麗ごとかもしれないけれどやっぱり美しい景色はいつの時代も人の傷を癒してくれる。
是枝監督の撮る風景は白ばんでいてふんわりと優しい青色のイメージ
四姉妹のキャラ設定も普通なら一辺倒になる喪服に表れてて見ていて楽しかった。
お堅いサチ姉はシャツを第一ボタンまで留めるかっちりスタイル。次女は喪服でもフェミニンですこしエロティック。三女は喪服と言えども個性的。
四姉妹が住む家のシーンは庭からの長回しで生活模様が淡々と見えて小津監督ぽさもあって。
とにかく心が浄化されるような映画だった。
