hrn

アイアムアヒーローのhrnのレビュー・感想・評価

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)
3.3
風邪に似た症状の謎の感染病が流行る中、英雄(ひでお)は相変わらず漫画家のアシスタントとして冴えない日々を過ごしていた。そんな35歳・英雄をZQNなるものが襲うーーーーー。


原作未読。

ちなみに私、無類のゾンビ映画好きです。バイオハザードを始め、有名作品はそこそこ観てきました。

ゾンビが好き&大泉洋が好きなのでレビューは激甘になりますが、贔屓目にしなくてもゾンビ映画としてはなかなかのクオリティでした。

正直、【邦画のゾンビ物】という点ではトップに躍り出たんじゃないでしょうか。


ZQN【ゾキュン】はバラエティに富んだゾンビ達です。買い物を続けるZQNや通勤列車に乗り続けるZQN。そして最強とも言える陸上部の高飛びを続けるZQN。アイツが出てきた時には嫌な予感してましたよ。


ただのパニック映画というより、ホラーも混ざっているような気がしました。てっこのZQN姿なんてホラー以外の何物でもありません。ポストの隙間から見える変化途中は薄目で観てしまいました。産まれたての小鹿のような手足や、軟体動物のような身のこなしは瞼の裏にこびり付いて離れませんよ。夢に出てきそうです。最初のZQNの掴みはとっても良かったです。グッと引き込まれましたよ。


からの塚地さんのイカれ具合。これまた最高でした。血塗れのバッドを持ちながら「なにボーッとしてるの?上がりなよ」とにこやかに言う姿はある意味ZQNよりも怖かったです。そしてZQNを殴る殴る、殴る。頭が潰れても尚殴る。音と血飛沫がリアルで「塚地さん(;゜0゜)」ってなります。これを機にイカれた役のオファーが殺到しそうです。


だけど、☆3.8は高いかな、と思ってしまいました。


【邦画のゾンビ物】という目で見たらお腹いっぱいなんですが、やっぱりまだまだ世界の壁は高いな…という印象です。

ハラハラするし目を覆いたくなるくらいグロいシーンもあるんだけど、何かが物足りない。何かは分からないけど、物足らない。

無駄に多い出演者の割に個々のインパクトが弱いせいでしょうか。有村架純ちゃんは結局ZQNだったのでしょうか?中途半端な印象でした。長澤まさみも然り。彼女に至っては出演時間短いですし、彼女じゃなくても良かったような……。

個々の印象が薄い代わりに、ネームインパクトを狙っているような気がしました。


とは言え、なかなかのクオリティです。間違いなく【邦画ゾンビ物】の代表作になるでしょう!
hrn

hrn