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百円の恋のDolphinPaprikaのレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
4.2
大多数の人がそうであるように僕も安藤サクラさんのことを綺麗だと思ったことは今まで一度もありませんでした笑

本作は最初に安藤サクラさんがボリボリとケツを掻きながらテレビゲームやってるシーンから始まって「うわぁ、相変わらず終わってんな〜、安藤サクラ(笑)」なんて思いながら観てたんですけど、後半に、特にリングへ向かう(長回し+スローモーションになる)あのシーンで「あれ?安藤サクラ綺麗じゃね??」なんていう疑問が最初に生まれてからはもう一瞬で、試合のシーンでは「おらぁ!安藤サクラ!勝て!勝てよ!」と前のめりになるほど夢中になってしまいました(苦笑) いや、安藤サクラさんは大変に美しい真の女優さんです。アカデミーおめでとうございます。この映画はあのシーンの安藤サクラさんの美しさのおかげで絶大な説得力があると感じました。他に誰がこの役を演じることができたでしょう。主演女優賞は彼女以外ありえません。

さて、本作はとても熱い映画です。安藤サクラさん演じる一子を含め、人として終わってるクズ人間ばかりが登場する世界で、最後に彼女はひとつ殻を破ってみせてくれます。悔しさで涙を流せるって、そんなの素敵に決まってるじゃないですか。百円から始まった恋が彼女自身の大きな成長につながるラストシーンに感動しました。
成長物語って観ていて気持ちいいけど嫌いな人いるのかな。

全体的にマイナーっぽい作品なんですけど、BGMであったり音響まわりはなかなかメジャー的だなと(盛り上げるときにギターのアップチューンを使ったり)、それがなかなかおもしろいなあと思いました。エンディングのクリープハイプは、普段あんまり聴くアーティストではないのですがこの映画にはこのバンドがとてもハマっていたと思います。

安藤サクラさんは、睨まれたら身動き一つ取れなくなるような眼の演技が特徴的だったのですが、今作では背面(背中と尻)を主としたボディーでの演技が目立ちました。とても器用な方だというのが、最初に重たそうに自転車を漕ぐシーンひとつ取っても伝わってきます。ほんとすごい。ボクシングシーンは勿論のことです。

あと、あの100円コンビニ、絶対働きたくない!!
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