ルネ

岸辺の旅のルネのレビュー・感想・評価

岸辺の旅(2015年製作の映画)
4.0
2015年公開。監督は黒沢清(1955年生)。 

原作は湯本香樹実の同名小説。

3年前に疾走した夫(浅野忠信)が、妻(深津絵里)の元に突然戻ってっ来る。そして自分は死んだ事を告げ、自分がお世話になった人達を訪ねる旅に 誘うお話。


妻の喪失感や悲しみを表現する深津絵里の演技力が素晴らしくて、何度も あっち側へ連れて行かれそうになったた。もう死んでても夫と一緒にいたいという気持ちが切なすぎる。

浅野忠信は無表情でセリフが棒読みというイメージがあって、今回も変わらなかった。とても苦手な俳優さん。

最初に尋ねた新聞配達してる初老の男(小松政夫)が出してる死の匂いが すごかったし、恐ろしくもあった。 

生きていても死んでしまっても、そんなに大差がないんじゃないかという世界観が結構ヤバいのだけれど、たしかにそうかもしれない。この辺が受け入れられる人は、この作品を楽しめるんじゃないかと思う。

生と死の間をゆたうような、不思議な作品です。
ルネ

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