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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のkevinのレビュー・感想・評価

4.0
かつてヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡したリーガンだがいまは干された俳優。
起死回生をかけた舞台に挑むも、舞台も役者も家族にも問題だらけ。
そしてリーガンは囁かれる。
「ここは俺たちの居場所じゃない」と…。


全編に渡って長回しのようなカット、音楽をほとんどドラムで作るなどの意欲的な構成の映画。
ワンカットが長い、というかどこで切れてるかも分かりづらいのでまるで舞台を観ているかのよう。
撮影もカットまでが長いので緊張感が高かったらしく、それがいい芝居を生んでいると思える。
観ていて隙のある部分がない!展開も早く次から次へと進んでいく。

内容は…なんと言葉にしづらい物語なのか。
自分の在り方に悩める男の物語なんだけど…過去の栄光、役者としての在り方、観客、大衆が求めるもの、愛されること、様々なことを悩んで葛藤している。
アカデミー賞を取ったことで日本でも注目を浴びるんだけど…これって万人が気軽にワッと楽しめるって映画ではないかな。
もちろん楽しめる人も多いだろうけど、観客は劇中で言われるような終末的娯楽大作が好きで血とアクションも好きだと思うから、注目を浴びるのは何だか皮肉な感じもする。

お芝居やショーに関わる、もしくは大好きな人はニヤニヤしながら観ちゃうのでは?作る側のことがわかっている人ほど楽しめそうな気がする。
だからアカデミーにも好かれたのかな?

うーん、なんて言っていいかわからないけど、「自分の在り方」なんてものを求める人間って面白いけど面倒だな…って思いました。

長回しなだけじゃなくて緻密に考えられた動きや間、カメラワークがとにかく上手い。素晴らしい。
ちなみに5.1chにできる環境があれば周りの音がしっかりと割り振られていてまるでカメラが自分の視点かのように思える。臨場感が増すのでオススメです。