バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)の作品情報・感想・評価

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)2014年製作の映画)

Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)

上映日:2015年04月10日

製作国:

上映時間:119分

3.6

あらすじ

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」に投稿された感想・評価

tak

takの感想・評価

4.0
 2014年アカデミー賞のノミネート作品は、アメリカの大手映画会社の作品が少なく、インディペンデント系の作品が多かった。大手が派手なアクション、CG、アメコミ原作にキャアキャア言っている中、独創的な試みや斬新な切り口、テーマに挑む映画はすっかりメジャー映画会社の手から離れてしまった。そんな象徴的な年にオスカーを制したのが本作「バードマン」だ。かつて"バードマン"という娯楽作品で一世を風靡した男優リーガン・トムソンが主人公。今や落ち目の彼は、レイモンド・カーヴァーの小説を自らの脚色、主演で舞台俳優として新境地に挑もうとしていた。ところが共演する男優がトラブルで降板。代わりにやって来たマイクとは衝突するし、映画俳優を一流と認めない女性新聞記者は上演前から酷評すると宣言するし、アシスタントをさせている娘サムとは不仲だし、とにかく平穏な心ではいられない。次第に追い詰められて、荒れていくリーガンは、かつて自分が演じたヒーロー、バードマンの幻影を見て、会話するようになる。そして迫る初日の舞台。挑戦は成功するのか、それとも・・・。

 とにかくこの映画に驚かされるのが、全編に漂う緊張感だ。それぞれの場面に切れ目がない、いや切れ目を感じさせない編集にある。映像のつながりからいえば、いわゆるワンシーンワンカットに見えるように作られている。最新の映像技術やカメラワーク、巧みな編集作業によるものだが、それが自然に展開していくから次にどう展開するのか目が離せない。そしてドラマー、アントニオ・サンチェスの手による音楽。即興で音楽をつけた?とも伝えられるが、その見事なハマリ具合は、緻密な計算の上でやってるとしか思えない。それでも型にはまらない、自由な印象を受ける。複雑なドラムパターンや緻密なプレイが、登場人物の心理を表現するなんてこと、これまでの映画ではあり得なかった。映画という表現の新たな次元を見せつけられたような気がする。

 そんな切れ目ない映像が、銀幕に映し出された物語をよりリアルなものに感じさせる。だがその一方で、唐突に挿入されるファンタジックな映像。バードマンが「DEATH NOTE」の死神リュークの様に現れて話しかけ、リーガンの体が宙を舞い、指を鳴らすと突然市街地で戦闘が起こる。その唐突さ。そして何事もなかったかのように現実に引き戻される。そのリアルとファンタジーの振り幅が、観ていてどうしてこんなに心地よいのだろう。中国のジャ・ジャンクー監督も映画「長江哀歌」で唐突なリアルとファンタジーのスイッチを試みている。ストーリーに関係なく、オブジェがロケットになって打ち上げられたり、男女の劇的な再会場面でビルが崩れ落ちたりと自由奔放な表現があった。だが、あれはとにかく意味が(というか監督の意図が)全く理解できなくて、それまでのシリアスな空気を何故壊す?と怒りさえ感じた。しかし「バードマン」のリアルとファンタジーの振り幅はもっと豪快だ。それでも僕らがこの映画に苛立ちを感じないのは、リアル部分のドラマの深みと、ファンタジー部分に込められたリーガンの気持ちが理解できるからに違いない。かつてのバードマンのように空を飛ぶリーガンは、現実逃避でもあり、かつての自分に自信を取り戻そうとする気持ちでもあり、アイデンティティの確認でもある。

 「人間には幻想が必要なんだ。空気と同じようにね。」とは「ウディ・アレンの影と霧」に出てくる台詞。同じように「映画には夢が必要なんだ」と僕は思う。現実の厳しさに思い悩むリーガンの姿やダメ親父っぷりを銀幕のこっち側で観ながら、僕はいつの間にかダメな自分をリーガンに重ねていた。物語の結末も確かに夢をくれるけれども、挿入されるファンタジックな映像にこそ僕は夢を与えられたように思う。80年代「スーパーマン」のキャッチコピーみたく「あなたも空を飛べる」なんて言う気はない。ダメ男が頑張る映画にもらう勇気こそが、日々を生きる僕らの夢かもしれない。それでいいじゃない。賛否が分かれる無言のラストシーンだが、エマ・ストーンの表情を僕は肯定的に捉えたい。個人的お気に入り女優、アンドレア・ライズボローがこの映画でもいい仕事。
すず

すずの感想・評価

3.6
結局何が言いたいのかはよく分からないけど、狭くて入り組んだ建物内をぐんぐん進んでくようなワンカット風の演出は素敵だった。
そしてなによりエドワードノートンに魅了された。最高すぎる。
アカデミー賞作品賞受賞してたから見たけど、まじで評価される意味がわかんなかった…結局何が伝えたい映画なのかイマイチわからなかった…
moeko

moekoの感想・評価

3.7
シュールレアリズムワンカット風群像劇。みっともない人間臭い人間がでてくるどうしようもない感じ、好き。
森崎

森崎の感想・評価

2.5
ちょーっとピンとこなかった。
長回し風、映画と演劇、というものは好きなものではあるはずだけれど、そここそが乗れない要因となっていたような気が。
扉を開いたり場所移動によって所々暗転を挟み込むのであれば、もっとタメが欲しかった。ショーマストゴーオン、なんて言いたげにするすると進んでいった話がいつしか羽を伸ばして飛び立っていきこちらは置いていかれる。

思っていた以上に集中力が必要だったので今の自分には合わなかったのかも。主人公が再起を懸けて挑んだ舞台のように、作品には出会うべき時がある。いつかこの作品を観るに相応しい状態がくるのかもしれない。
TOMA

TOMAの感想・評価

3.8
視点の流れに合わせた
巧みなワンカット映像に
ドラムのみのサウンド
このリアリティは面白い
Taiga

Taigaの感想・評価

3.7
ワンカットに見えるトリックが巧妙で、群像劇のフィールドが劇場の界隈を決して超えない辺り「ブロードウェイ」に縛られる人々への皮肉を感じる。
縛られると言えば、"ヒーローを演じる"ということは、役者を強烈に縛り付ける性質を持つ。
例えば、演じた数年後のゴールデントーク番組で、アカデミー賞俳優が「あぁ、昔ライダー演ってたんすよ」とサラッと語ることもあれば、演じた十数年後も目立った代表作が無く、BSで「仮面ライダー俳優」という肩書きで、粗末に紹介されてしまうケースも……
まぁ、アメコミ映画でも然り。
それくらい、ヒーローのイメージは、役者にべったりとこべりつき、今後の可能性を閉ざしてしまうこともある。
だから"ヒーローを演じる"ことは、大きな飛躍の翼を与えるか、大きな呪いの足枷を与えるか、とにかく賭けなんだ。
その後者の場合を、バットマンのマイケル・キートンが演じ、取り巻く人物を、ハルクを降板したエドワード・ノートン、グウェンのエマ・ストーンが演じたのは、最高のアイロニーが効いていてエクセルシオールでした。
kaito

kaitoの感想・評価

4.4
いやー映画好きにはたまらないんじゃないのこの映画。2015年アカデミー作品賞に選ばれるだけあるよ。すごく興味深い作品。

「バードマン 無知がもたらす予期せぬ奇跡」タイトル長っ!これこの映画に対する第一印象。笑 インサイドルーウィンデイヴィス名もなき男の歌 の方が長いか…。まあそんなことはどうでもよくて。この映画、演技や演出など映画に関する全てのことに関して「愛」を感じた。かつては人気であった男がもがいて葛藤する姿は見ててすごく魅了された。そしてこの映画の醍醐味…「長回し」。長回しには長回しにしかない魅力がある。ひとつひとつカットするよりその現場で起きていることが肌で感じられる。廊下の窮屈な感じもたまらなく大好き。すごくリアルを感じ取れる素晴らしい映画だった。演技・演出がよく話に出てきた。それ故、映画に登場する人みな演技が上手い。ララランドのエマストーンよりこの映画のエマストーンの方が個人的には好き。周りに気をかけなかった父を持つも、彼への愛情を忘れていない娘を見事に演じていたと思う。ラスト彼はどーなったのか。ネタバレあり
















ラストシーン
舞台の上で実弾で鼻を撃ち抜いた主人公。その後、病院で目が覚める。トイレに行くとバードマンがいるが主人公は彼に「じゃあな」と声をかけ、窓から飛び降りる。
とりあえず彼は死んでいないと思います。
バードマンなしでも彼は彼だけの翼を手に入れることができた。つまり「バードマン」という過去の栄光を捨て、新しい自分を手に入れたことを示唆しているんだと思います。
Uji

Ujiの感想・評価

4.5
劇場で見たぶり。ようやくブルーレイを開封した。

話題となったワンカットのよう見える撮影技法にも唸るし、マイケル・キートンやエドワード・ノートン達の名演も素晴らしい。

何より、演劇場が舞台なのに、映画的にこれほど面白い作品となっていることに、また感動できた。
ぽん太

ぽん太の感想・評価

3.5
映画界や役者に対する皮肉がいやらしくなく含まれており、テンポのいい映画。ドラムで映画音楽を主に作っていて新鮮さと斬新さを感じるとともに、最後らへんにやっと流れたピアノやバイオリンの音を聴いてやっぱり打楽器にはない美しいメロディを作り出せるんだなぁと感じていた。
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