現実と妄想が入り交じった展開と長回しのカメラワークが特徴の映画。悲劇であり喜劇。
エドワード・ノートン演じるマイクの独善的な態度にはとにかくうんざりした。でも物語が進むにつれて彼には彼の世界があり、それこそが彼の才能なんだと気付かされる。エマ・ストーン演じるサムも同様で、この二人はリーガンにとっての悩みの種であるけれど、表面的な部分では終わらず、それぞれのキャラクター性を、リーガンに吐く辛辣な台詞たちによって表現していて、それもこの映画の深みになっていると感じた。
それとオチの爽やかさが最高!!!
ただでさえ物語を解釈するために頭をフル回転させられているのに、長回しによって意識を画面に釘付けにされ休む暇がない。そういった状態に観客を追い込む態度に辟易することもありそう。でも長回しにはリアリティを感じさせる強みがあると思うし、流れや動きとか、緊張感は没入感を孕むし、自分は最高におもしろいと思った!