わち

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)のわちのレビュー・感想・評価

4.0
2015年アカデミー賞の主役となったアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作。
かつてヒーロー映画でスターとなったおっさんが舞台で再起をかける姿を描いたコメディで、映画界や批評家への皮肉も盛り込まれたメッタメタな視点が面白かった。
おっさんを奮い立たせるかのようなジャズドラムが鳴り響き、ほぼ全編1カット(風)で撮られた映像は非常に魅力的だが、その反面制約があるぶん台詞で説明しすぎたり無理矢理ワンカットにしてる部分も少し気になる。それでも、俳優としての矜持と苦悩が積み重なっていきながら同じシーンが三度“演じられる”舞台上でのシーンや、捻れた父娘関係からのラストシーンなど、唸らされる演出も多くあり、言ってしまえばおっさんが苦悩してるだけの内容がコメディでありながら見応えのあるものになったのは映像・演出・演技の勝利だと思う。

しかしまあエドワード・ノートンのぶっ飛んだ演技はもはや安心して(?)見られますね。最高っす。
わち

わち