池脇千鶴は役者だなーと。ここ数年の出演作見てるといつも思う。
感情移入出来る身近さ。その表情やしぐさ、わかるなぁいるなぁと。とにかく自然。
それでいて大事な言葉や行動に説得力がある。いつも心を揺する女優さん。
自分がされた事をしてしまう、それがどんな痛みを身体や心に伴うか知っているのに。
だから苦しいのに、周りもそうだから。私だってされたから。とどこかで許される場所を探してしまう。
そして、傷つけた相手の救えない相手の手が、心が暖かいことに触れるとたまらなくなる。
簡単なこと、子供だけじゃない。周りに誰かに優しくするとその人も優しくなれる。子供時代に素直に出来ていたことがずっとずっと出来たらきっと幸せな世界なんだよな、答えは簡単に出る。
それでもどうして出来なくなっていくのだろう。
とにかく自分の負の部分、出来ない事、生まれてしまう嫌な気持ちがどんどん画面に現れて正直辛かった。
それでもこの映画は希望だけのハッピーエンドじゃなくて。
続いていく日常を。踏み出した先にも苦しさもやっぱりあるんだろうというラストなのが私は良かった。
希望だけじゃ生きられない、でも希望がないと生きられない。それは子供かもしれないし、誰か他人かも。
尾野真千子の役のママとか。そんな簡単に変われないんだろうきっと。また自己嫌悪するのだろう、それでも向き合うとイライラしてしまうのだろう。
そうやって続いていくんだ現実はとすごく思わせられた。
希望がある楽しい映画ではないけれど。忘れていたりなくした事、シンプルなことを思い出しました。