ノラネコの呑んで観るシネマ

フランキー&アリスのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

フランキー&アリス(2010年製作の映画)
3.8
過去の辛い記憶によって多重人格となった女性を描く実録もの。
舞台は70年代の西海岸だが、50年代のアメリカ南部の人種差別が主人公のトラウマのベースになっていたり、なかなかに興味深い。
3人の人格をハル・ベリーが演じ分けるのが見もの。
ただ、多重人格の原因を探る話がメインなのに、要因となる事件そのものは結構前半から示唆されているうえに、語り口が生真面目かつ平坦なので、ミステリ的な面白さはあまり無い。
ならばもう少し彼女の人間ドラマとして掘り下げて欲しかった所。
お母さんとの関係とか、これから面白くなりそうなところで終わっちゃうから、トラウマ探しは前半で終えて、後半は彼女が自分の心をどう制御したのかを描いた方が面白かったんじゃないかなあ。
これはこれで全然悪くは無いけど。