ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価

ノラネコの呑んで観るシネマ

ノラネコの呑んで観るシネマ

ホワイトバード はじまりのワンダー(2024年製作の映画)

4.5

2017年の映画「ワンダー 君は太陽」のいじめっ子、ジュリアン。
学校を退学になり、新しい学校にも馴染めず、色々拗らせている彼に、フランスからやって来たヘレン・ミレン演じるおばあちゃんのサラが、若き日
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ぼくとパパ、約束の週末(2023年製作の映画)

4.3

ドイツ西部に暮らす、自閉症の10歳の少年ジェイソンが、クラスメイトから推しサッカーチームが無いのは変だと言われ、毎週末にパパと一部から三部まで、ドイツ中のサッカーチームの本拠地を訪ねるサッカー行脚をは>>続きを読む

JAWAN/ジャワーン(2023年製作の映画)

4.4

30年前、インドの山奥の村人が、重傷を負って記憶を失った男を助ける。
間も無く村は謎の武装部隊に急襲されるが、目覚めた男が圧倒的な強さで殲滅する。
そして現在、地下鉄が全身包帯を巻いた男と、6人の女に
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モアナと伝説の海2(2024年製作の映画)

4.0

前作で大洋の航海者となったモアナが、今度はチームを組んで、大洋に点在する人々の接触を妨げている、人間嫌いの嵐の神ナロの呪いを解くために奮戦する。
見せ場のつるべ打ちで飽きさせないが、やはり続編は難しく
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雨の中の慾情(2024年製作の映画)

4.8

大怪作。
冒頭の映像コラージュが本作の行先を暗示する。
つげ義春の同名短編をベースに、片山慎三が自由にイマジネーションを広げ、長編映画化した作品。
しかし表題作は冒頭の主人公の見た夢として完結し、そこ
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ザ・バイクライダーズ(2023年製作の映画)

4.5

フォトジャーナリストのダニー・ライアンが、1965〜73年にかけてシカゴのアウトロー系バイクライダーたちの生活を追ったシリーズ、「The Bikeriders」にインスパイアされ、ジェフ・ニコルズが映>>続きを読む

THE SIN 罪(2024年製作の映画)

4.1

新人女優のシヨンが参加した、奇妙な低予算映画。
それは監督の考えた創作ダンスを、共演者のチェユンと踊るだけの実験的作品。
だが、撮影がなかなか進まない中、突然一人のスタッフが飛び降り自殺し、直後にその
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バーン・クルア 凶愛の家(2023年製作の映画)

4.4

実に面白いタイ制のオカルトホラー。
主人公のニンは、経済的問題から夫のクウィンと娘のインと小さなマンションに引っ越し、大きな自宅を引退した医師を名乗るラトリーとその娘に貸し出す。
ところがその直後から
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Back to Black エイミーのすべて(2024年製作の映画)

3.5

2011年に27歳の若さで死去した、エイミー・ワインハウスの伝記映画。
10代でのデビューから死去までの、おおよそ10年間の物語。
彼女の人生を綴った映画といえば、アカデミー賞に輝いたドキュメンタリー
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テリファー 聖夜の悪夢(2024年製作の映画)

4.3

前作から5年後、アートを斬首したラストガールのシエナと弟のジョナサンは、今もPTSDに苦しめられている。
そんな時、アートと第一作の犠牲者ビクトリアも超常の人となって復活。
二人セットになって、三度人
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海の沈黙(2024年製作の映画)

4.2

石坂浩二演じる画伯が、自分の展覧会で展示されている代表作の一つが贋作だと言い出す。
精巧極まりなく、ある意味でオリジナルを超えた絵を、一体誰が描いたのか。
倉本聰、36年ぶりの劇映画。
クレジットが「
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正体(2024年製作の映画)

4.8

素晴らしい仕上がりの、令和日本版「逃亡者」だ。
18歳で3人を殺したとして逮捕され、死刑判決を受けた横浜流星が脱走。
刑事の山田孝之らが必死の捜査を繰り広げる中、姿を変えながら逃げ続ける。
最初は大阪
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人体の構造について(2022年製作の映画)

4.3

パリ近郊の五つの病院で日々起こっていることを、普段患者の立場なら見ることの出来ない、医療関係者の視点で描く。
内視鏡を使った様々な手術、精神科の閉鎖病棟の人々、誕生と死のイメージ。
監督が「リヴァイア
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アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

4.3

まさに旬を逃さない先行公開。
1970年代から80年代、まだ不動産業界の2代目の若造に過ぎなかったドナルド・トランプが、黒も白にしてしまう保守派剛腕弁護士のロイ・コーンと出会い、彼をメンターとしてのし
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アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師(2024年製作の映画)

4.5

まもなく閉館のMOVIX三郷にて。
オリジナルの韓国ドラマは未見。
内野聖陽演じるさえない税務署職員が、天才詐欺師の岡田将生と組んで、同僚を死に追いやり自分をコケにした脱税王から、10億円の税金を騙し
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六人の嘘つきな大学生(2024年製作の映画)

3.6

就活で、超一流会社の最終選考に残った六人の大学生。
90分の間に六人で一番相応しい一人を選ぶことになるのだが、その部屋になぜか彼らの過去の罪を暴露する手紙が置かれていて、選考会は異様な雰囲気になってゆ
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ドリーム・シナリオ(2023年製作の映画)

4.3

これは変な映画だが、面白い。
ニコラス・ケイジ演じるさえない大学教授のポールは、自分が何百万人もの他人の夢に出現していることを知る。
夢の中で何が起こっていても、何もせずに立っている謎の男。
取材に応
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対外秘(2022年製作の映画)

4.1

1992年の韓国総選挙。
チョン・ジヌン演じる釜山を地盤とする政治家のヘウンは、公示直前になって与党の公認候補を外される。
釜山を裏で支配する実力者スンテが、言いなりになる候補者にすげ替えたことを知っ
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ベルナデット 最強のファーストレディ(2023年製作の映画)

4.1

第22代フランス大統領ジャック・シラクの夫人、ベルナデットの物語。
カトリーヌ・ドヌーブ演じるベルナデットは、自らも県議を務める政治家。
夫は何度も大統領選で敗れ続け、やっと掴んだ栄光の座。
自分も相
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アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

4.6

遊具が撤去された河川敷の元公園に、ポツンと佇む古びたベンチを舞台とした5話オムニバス。
第一話は幼馴染の広瀬すずと仲野太賀が、夕暮れのベンチで世間話。
典型的な両思いだけど付き合いが長過ぎて、告白でき
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室井慎次 生き続ける者(2024年製作の映画)

4.5

後編。
なるほど全貌は明らかになったが、これは評価が分かれそう。
警察を退官した室井さんにとっては、身近で起こった殺人事件は、あくまでも過去の因縁がもたらした背景に過ぎない。
だから捜査に協力はするん
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

4.8

素晴らしい。
神話的貴種流離譚をベースに、グラディエーターのアクションと、深遠な宮廷陰謀劇が絡み合う。
前作に勝るとも劣らない仕上がりで、これは予告編でも言ってるから大丈夫だと思うが、ポール・メスカル
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スパイダー/増殖(2023年製作の映画)

4.3

移民たちが暮らすフランスのバンリュー(団地)で、エスニックアニマル好きの主人公が、北アフリカ産の超危険なクモを逃してしまったことから始まる恐怖の一日。
クモホラーといえば「アラクノフォビア」という名作
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HAPPYEND(2024年製作の映画)

4.3

少しだけ近未来の日本。
高校3年のユウタとコウは幼馴染で大親友。
いつも高校のDJ部(?)の仲間たちと、悪ふざけしている。
ある時、校長の新車にとんでもないイタズラを仕掛けたら、大激怒した校長に生徒を
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レッド・ワン(2024年製作の映画)

4.3

イブの前夜、クリスマスをぶっ壊そうとする魔女一味に、サンタクロースが誘拐される。
警護隊長のドウェイン・ジョンソンは、犯人に繋がる人間の賞金稼ぎのクリス・エヴァンスとタッグを組み、救出に動く。
ブラッ
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イマジナリー(2024年製作の映画)

4.0

空家となった実家に戻った新米継母が、気持ち悪いイマジナリーフレンドに取り憑かれた末娘アリスを守って大奮闘。
とりあえず、作り手がホラー大好きオタなのは分かる。
「ポルターガイスト」の基本プロットに「不
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ルート29(2024年製作の映画)

3.0

綾瀬はるか演じる、人付き合いが極端に苦手な清掃員が、鳥取の精神病棟に入院してる市川実日子から「もうすぐ死ぬので姫路にいる娘を連れて来て」と頼まれる。
清掃会社の車をパクって小学生の娘を迎えに行き、姫路
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本心(2024年製作の映画)

3.7

”自然死”という名の安楽死が、制度化された世界。
「大事な話がある」と言われた直後に、母を自然死で亡くした池松壮亮が、母のデータからVR世界にAIの母を復活させる。
学習によって徐々に完成度を高めてゆ
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ヴェノム:ザ・ラストダンス(2024年製作の映画)

4.3

むっちゃ強いけど、封印されてる破壊王が、宇宙で一つだけ封印を解けるコーデックスの力を持つ、ヴェノムとエディ・ブロックのコンビを狙って、不死身の怪物を地球に送り込む。
今回もおバカで面白い、陽性のアメコ
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動物界(2023年製作の映画)

4.4

人間が動物化する奇病が蔓延する世界。
主人公は、母が動物化している高校生のエミール。
父と共に母が入る予定の隔離施設近くに引越したが、母を乗せた移送車が事故を起こし、行方不明になったと知らされる。
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スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム(2024年製作の映画)

3.3

逃亡した成田凌が韓国に潜伏してたら、韓国のテロ組織に誘われて、日韓首脳会談をぶっ潰す手伝いをする。
そんで千葉雄大と井浦新が、首脳会談を守る側という構図。
例によって成田凌は気持ち悪くていいが、全体的
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アイミタガイ(2024年製作の映画)

4.7

黒木華演じるウェディングプランナーの主人公は、過去の複雑な家族関係から恋人の中村蒼と結婚に踏み切れない。
そんな時、10代の頃からの親友だった、藤間爽子の事故死を知る。
知らずに観たけど、共同脚本に名
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オリビアと雲(2024年製作の映画)

4.3

今年のTIFFラスト。
オリビアとラモン、バルバラとマウリシオの世代の違う二組の男女の織りなす、超フリーダムなアートアニメーション。
ドミニカのトーマス・ピカルド=エスピラット監督作なんだけど、シーン
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春が来るまで(2024年製作の映画)

4.3

TIFF。
イランの地方都市。
夫が自殺したことを知った妻のサマンは、目の前の事態を受け入れることが出来ず、まるで夫が生きているかのように装いながら、いろいろな人を訪ね歩く。
旧友、姉、夫の同僚、夫の
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トラフィック(2024年製作の映画)

4.3

TIFF。
西欧オランダに移住した、ルーマニア人夫婦の移民残酷物語。
メキシコで娘を誘拐された母親の“復讐”を描いた、「市民」のテオドラ・アナ・ミハイ、今回も実話にインスパイアされた作品。
同じEU圏
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アディオス・アミーゴ(2024年製作の映画)

4.3

TIFF。
舞台は南米コロンビア。
19世紀末から20世紀初頭まで、コロンビア人同士が殺し合った「千日戦争」の終結直後。
元革命軍兵士の主人公は、兄嫁の妊娠を知らせるため、政府軍にいるはずの兄を探して
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