ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価

ノラネコの呑んで観るシネマ

ノラネコの呑んで観るシネマ

プレデター:バッドランド(2025年製作の映画)

4.5

力が全てのプレデターの世界、一族の恥と呼ばれた弱小プレデターのデクが、自分を証明するためにヤバい生物しかいない”死の星”に降り立ち、半分壊れたアンドロイドのエルちゃんとバディを組む。
エイリアン・ユニ
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藤本タツキ 17-26 Part-2(2025年製作の映画)

4.5

アマプラ。
後半は22歳時点から。
「人魚ラプソディ」は、カワイイ人魚にピアノを教えることになった少年の話。
なぜかTIFFで観た中国のオムニバス映画「エッジ・オブ・タイム」の第一話と、海の中のピアノ
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藤本タツキ 17-26 Part-1(2025年製作の映画)

4.3

アマプラ。
藤本タツキが、17歳から26歳までの10年間に描いた、8話の短編を映像化。
「庭には二羽ニワトリがいた。」は、人間を捕食する宇宙人に占領された地球で、ニワトリのコスプレをして生き残ってる二
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てっぺんの向こうにあなたがいる(2025年製作の映画)

4.3

世界で初めてエベレストに登頂した女性クライマー、田部井淳子をモデルとした物語。
75年の登頂前後の30代をのんさんが、90年代以降を吉永小百合が演じる。
名前を変えていることからも、あくまでもフィクシ
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旅と日々(2025年製作の映画)

4.7

これはとてもいい。
シム・ウンギョン演じる、日本で活動する韓国人脚本家が、雪深いど田舎に旅をする。
つげ義春の短編二作が原作になっているが、脚色のアプローチがユニークだ。
「仕事に行き詰まった脚本家の
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盤上の向日葵(2025年製作の映画)

4.1

山中から男の白骨死体が見つかり、一緒に埋められていた希少な将棋の駒から、坂口健太郎演じるプロ棋士の上条が捜査線上に浮かび上がる。
彼は奨励会を経ずに突然プロになり、新人賞を取った天才と言われる人物。
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ハムネット(2025年製作の映画)

5.0

TIFFクロージング。
ウィリアム・シェイクスピアは、なぜ「ハムレット」を描いたのか。
これは圧巻の仕上がりだ。
16世紀のイングランド、まだ何者にもなっていない若きウィリアムは、森の魔女の娘と噂され
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爆弾(2025年製作の映画)

4.8

これはめっちゃ面白い。
酔っ払って暴れ、野方署に連行された佐藤二朗演じる自称“鈴木タゴサク”が、“霊感”を使って爆弾事件を予知したことから、事態が動き出す。
鈴木は自分はあくまでも霊感で分かるだけと言
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アメリと雨の物語(2025年製作の映画)

4.7

TIFF。
1960年代末、ベルギーの外交官夫婦の次女として、神戸で生まれたアメリの物語。
彼女は、生まれてしばらくは植物の様に全く反応を示さず、ずっと世界を見ているだけ。
だが2歳半の時に当然活動を
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エッジ・オブ・タイム(2025年製作の映画)

3.9

TIFF。
時空を超えて人の思いを伝える、“太素”と言うエネルギーが存在する世界を描く、中国発のオムニバスアニメーション映画。
監督は中国からリー・ウェイとウェン・ミン、日本から渡辺信一郎と森田修平と
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遥か東の中心で(2025年製作の映画)

4.1

TIFF。
人生はまさに悲喜劇。
イランの映画制作の舞台裏を描く、セルフリフレクシブもの。
映画監督のソガンドは、父が娘を殺した事件をモチーとした映画撮影のために、ロケセットになる美術館にやって来る。
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雌鶏(2025年製作の映画)

4.3

TIFF。
全編が一羽の黒いメンドリ視点で語られる、異色の寓話劇。
トラックから逃げ出したニワトリは、大冒険の末にあるボロいレストランの爺さんに拾われて、鶏小屋に住むことに。
だがこのメンドリは超アク
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ミーツ・ザ・ワールド(2025年製作の映画)

4.5

腐女子の杉咲花が歌舞伎町で酔い潰れていると、キャバ嬢の南琴奈に拾われて、奇妙な同居生活が始まる。
杉咲花は牛肉の部位を擬人化した謎アニメのキャラが推しで、2次創作のBL漫画を楽しみ、推しを語り始めると
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私はフランケルダ(2025年製作の映画)

4.4

TIFF。
19世紀のメキシコ。
母を亡くした少女フランシスカは、辛い現実から逃れるように、人間の恐れを動力とする魔法の王国テレントゥスの物語を創造する。
王国は人間たちに悪夢を送り、その恐れを受け取
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明日のミンジェ(2025年製作の映画)

4.3

TIFF。
施設育ちの高校陸上部のエース、ミンジェは陸上で生きてゆくという希望を持っている。
だが金持ちの子が優遇されるチーム体制に不満を募らせ、自分のタイムが監督に改ざんされるに及んで、ある事件を起
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V/H/S/99(2022年製作の映画)

3.8

ホラーアンソロジーシリーズ第5作は、1999年が舞台。
今回は全体テーマみたいな物は無く、短編を5話繋いだだけ。
第一話"Shredding"は、おバカな四人組ロックバンドが、数年前に火災事故が起こり
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アトロピア(2025年製作の映画)

3.6

TIFF。
2006年のイラク戦争下。
戦場へ向かう兵士たちを訓練するために、カリフォルニアの砂漠に作られた、仮想イラクの街“アトロピア”。
住み込みのアラブ系俳優たちが、割り振られた市民やテロリスト
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代々木ジョニーの憂鬱な放課後(2025年製作の映画)

4.3

日隠演じる三鷹の高校生、代々木ジョニーの日常。
彼は人や自分自身の気持ちが、イマイチ分からない。
好きかどうか分からないまま付き合っていた熱子ちゃんには、別れを切り出して怒られる。
ダラダラ出来ていた
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愚か者の身分(2025年製作の映画)

4.7

コレは刺さる。
悪になり切れない、悪人たちの物語。
映画は三章構成で、まずは悪になりたての林裕太視点。
家族の愛を知らない彼は、先輩の北村匠海のもとで身寄りのないオヤジを釣っては戸籍を買い取り、高額で
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恋に至る病(2025年製作の映画)

3.3

これはすごく変な映画だ。
転校生の長尾謙杜は、クラスの人気者の山田杏奈にいきなり距離詰められて、恋人っぽい関係になる。
だが、その結果男子たちに目を付けられて、イジメられる様になる。
すると突然、学校
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デコラド(2025年製作の映画)

4.4

TIFF。
ずっと失業中のネズミのアルノルドは、妻のマリアや近所の人々、生活の全てを取り仕切る大企業のALMAを含めて、周りの全てがフェイクではないかという考えに取り憑かれている。
大怪作「ユニコーン
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Mr.ノーバディ2(2025年製作の映画)

4.3

前作で金を燃やしちゃったから、借金まみれになって殺し屋家業に勤しむハッチが、束の間の夏休みにクリストファー・ロイドのおじいちゃんも呼んで、思い出の地に家族旅行に。
ところがそこは、悪魔の様な女帝が支配
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アラーの神にもいわれはない(2025年製作の映画)

4.3

TIFF。
90年代の西アフリカ。
ギニア人の少年ビライマは、母が亡くなったため、隣国リベリアに住む叔母を頼ることに。
しかし当時のリベリアは内戦の真っ最中で、ビライマは国境を超えたとたん、付き添いの
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ハウス・オブ・ダイナマイト(2025年製作の映画)

4.5

Netflix。
ある日突然、西太平洋のどこかから、アメリカ本土に向けて弾道ミサイルが発射される。
その時、ワシントンの中枢では何が起こるのか?の徹底的なシミュレーション。
さすがはキャスリン・ビグロ
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M3GAN/ミーガン 2.0(2025年製作の映画)

4.3

アマプラ。
前先より面白いじゃん。
ミーガン事件でAI規制の声が高まる中、ミーガンを模した出自不明の戦闘アンドロイドが暴走し、関係者を殺して回る。
ジェマとケイティにも危険が迫り、スマートホームAIに
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フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡[私闘編](2025年製作の映画)

4.3

阪元裕吾監督の殺し屋モキュメンタリー、国岡シリーズ最新作。
今回は超ダメ人間の殺し屋・真中を助けた結果、真中と元京都No.1の殺し屋だった真中オヤジとの抗争に巻き込まれて、国岡が酷い目にあう。
相変わ
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ナイトコール(2024年製作の映画)

4.5

ブリュッセルで鍵屋をしているマディは、ある夜クレールと名乗る女から依頼を受け、ある部屋の鍵を開ける。
だが直後にクレールは姿を消し、ヤバそうな男が現れて殺されそうになる。
実はマディが開けた部屋にはギ
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フランケンシュタイン(2025年製作の映画)

4.8

素晴らしい。
これは言わば新解釈「フランケンシュタイン」だな。
メアリー・シェリーの原作の枠組みは維持しつつも、エピソード構成と物語の解釈を大幅に変えて来た。
こんなハッピーな気分になる「フランケンシ
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さよならはスローボールで(2024年製作の映画)

4.1

学校建設のために、取り壊しが決まったマサチューセッツの古い野球場で、最後の試合として地元の草野球チーム、アドラーズペイントとリバードッグスの試合が行われる。
「おじさんたちが野球してるだけの映画」と予
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後朝の花雪(2025年製作の映画)

4.3

平安の昔、かつて捨てた女の家を訪ねた時正は、家の中で朽ち果てずに残る女の骸を見て恐れ慄き、陰陽師を呼び寄せる。
陰陽師は時正に、命惜しくば一人で骸に一晩付き添うことを命じる。
だが恐怖の一夜のはずが、
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死霊館 最後の儀式(2025年製作の映画)

4.4

アメリカで数多くの心霊事件に関わった、実在の心霊研究家ウォーレン夫婦シリーズの一応の完結編。
1960年代、娘のジュディを妊娠中だった若き夫妻が遭遇し、その禍々しさに逃げざるを得なかった悪魔の鏡が、2
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ストロベリームーン 余命半年の恋(2025年製作の映画)

4.5

こんなん、おじさん泣いてまうやろ(´•̥ ω •̥` )。
當真あみ、斎藤潤の「ちはやふる」コンビによる、どストレートな難病純愛物語。
小学校入学の日に病を発症し、それっきり学校に行ったことがない15
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The Twits -アッホ夫婦(2025年製作の映画)

3.6

Netflix。
他人の不幸を願う超イジワルなアッホ夫婦が、ルンパランドから誘拐してきた猿のボスノロ一家を巡って、子ども園に暮らす孤児のビーシャとバブシーと揉めて大騒動を巻き起こす。
ロアルド・ダール
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おーい、応為(2025年製作の映画)

3.9

葛飾北斎の三女、葛飾応為ことお栄の物語。
杏がお栄を演じた、原圭一監督のアニメーション映画「百日紅 Miss HOKUSAI」と同一モチーフで、杉浦日向子の原作漫画も、本作の原作の一つとしてクレジット
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見はらし世代(2025年製作の映画)

4.3

黒崎煌代演じる、祝い花の配送をしている主人公は、母との死別以来疎遠になっているランドスケープ・デザイナーの父を、渋谷の再開発地区で見かける。
姉の木竜麻生にそのことを伝えるが、姉は父のことには全く無関
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ホーリー・カウ(2024年製作の映画)

4.3

フランス南部のジュラ山脈の村。
18歳のトトンヌは、享楽的な青春を謳歌していたが、チーズ職人の父が突然の事故死。
幼い妹を抱えて、自活せざるを得なくなる。
チーズ工場の収乳の仕事も上手くいかず、いずれ
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