チッコーネ

フランキー&アリスのチッコーネのレビュー・感想・評価

フランキー&アリス(2010年製作の映画)
3.0
ハル・ベリーが自らプロデュースに乗り出した肝入りの作品なのだが、実話ベースだからか、それとも彼女の思い入れに監督が慄いたからなのか、平坦で面白みに欠ける。照明や美術も平均的で、TV映画のよう。
多重人格云々よりも、レイシズム、そして黒人自身に巣食う同族嫌悪が生み出した「おどろおどろしい悲劇」を容赦なく告発することこそが、本作のオリジナリティとなり得たはずだ。
しかし手加減と保守的な選択が積み重ねられており、結果的に凡庸な仕上がりとなっているのが残念である。