森泉涼一

マイ・インターンの森泉涼一のレビュー・感想・評価

マイ・インターン(2015年製作の映画)
3.8
この映画の最大の魅力は様々な角度から単純に楽しめる点に尽きる。一家の大黒柱として家庭を支えるキャリアウーマンの仕事に対する充実感と切実なプライベートの悩み、一方でシニアをインターンとして雇うという画期的発案。しかもそれが名俳優ロバート・デ・ニーロとくればシナリオ通りにはいかないのではという期待以上のことを想像してしまう。
これだけに留まらず「プラダを着た悪魔」の再来とも言われた今作はファッションにかなりのこだわりを持ち込んでいるだけあり、衣装だけでも一見の価値あり。更に言えば、ビジネスに適応した華麗でもあり、可愛らしさもある服を纏う32歳とは思えない美貌を兼ね備えた今作のもう一人の主役、アン・ハサウェイに恋をしてしまう男性も多いのではないだろうか。
この映画が働く女性のみならず男性も楽しめるというコンセプトで評価をあげている理由はアン・ハサウェイとデ・ニーロのコンビを疑似的ビジネスとして客観的に想像しながら学べる点にあるのではと思う。ビジネス拡大により自身のキャパを超えている現実を受け止めがたいCEOのもとに人生経験豊かなじいさんが、しかもインターンとして都合よく入ってきてアドバイスと行動で本当に必要なものを教授する。現実味に欠ける部分もあるが、これを一般社会に照らし単純に上司と部下の関係で見れば重なる部分は多いはず。社会に揉まれて働く女性のみならずデ・ニーロに学ぶという意味では社会で働く人々全員が刺激を受ける映画となっている。
森泉涼一

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