ひよこまめ

隠し剣 鬼の爪のひよこまめのレビュー・感想・評価

隠し剣 鬼の爪(2004年製作の映画)
5.0
2時間半を堪能した。すばらしかった。
丁寧に丁寧に作られているのが素人目にもわかる映画。

2時間半と言う時間を「短い」と感じたわけではなかったけど、それは「長い=退屈」という月並みな図式を意味するわけではなく。
観ながら「長い映画だな」と思いつつ、もっとこの世界に浸っていたいと思う映画だった、という。

どの役者さんも全精力をかけて演じていたと思うのだけど、中でも印象に残ったのはやはり、松たかこ。
そんなに好きなタイプでもないと思っていた女優さんだけど、今回の“きえ”には何度も泣かされた。

吉岡秀隆がポイントを押さえるような役どころをやっていたのが、個人的には嬉しかったし。
彼は映画界のサラブレッド的な役者さんだと思うので、どんな役もそつなくこなして当然といえばそうなのかもしれないけど、それでも、どんな役も「吉岡秀隆」を殺して「その役の味」をしっかり出せる力量を持ったすごい人だと思う。

ラストシーンが「はい、お話はこれで終わりだよ」みたいにふっつりと終わって、エンドクレジットともに富田勲の音楽が流れてくるが、これがまたすばらしくてしみじみ聴き入ってしまった。
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