tono

ニュースの真相のtonoのレビュー・感想・評価

ニュースの真相(2016年製作の映画)
4.1
主題が「軍歴詐称」のため、とっつきにくいかとも思ったが、ケイト・ブランシェットが難しい役どころをサラっとこなし、その他のキャスティングもバッチリ嵌っていて約2時間全く退屈しなかった。

スクープ報道の持つインパクトと失敗(陰)の恐ろしさ。メイプス(ケイト・ブランシェット)の真相追求への信念と調査委員会で見せたプライド。ラザー(ロバート・レッドフォード)や制作仲間との強い信頼関係。中盤以降は裏取りの確実性や政治的偏向の争いに巻き込まれ、肝心要の“真相”が遠のいていく。

収益性の低さ、裏取りの大変さ、責任の重さ...etc。幾多の壁を乗り越え、スクープだからこそ得られる価値があり、世間を動かす影響力に繋がる。投票行動さえも変えてしまうかもしれない。

日本でも一部に「60minutes」のような番組が存在する一方、大半はバラエティ番組や同じ内容を報じるニュース番組が占めている。他局のスクープの追っかけや横並び報道に終始し、問うことを止めたメディアにどこまでの本質的価値が見出だせるのだろうか??と考えつつ、帰路についた。

試写会@一ツ橋ホール神保町
tono

tono