画伯

Nas タイム・イズ・イルマティックの画伯のレビュー・感想・評価

4.5
Nasの生い立ちからだいたいデビューまでを回想するドキュメンタリー。彼の年齢(1973年生まれ)だとクラックの蔓延を目の当たりにしているというのがなんだか衝撃だった。事実として90年頃と知ってはいたのに、自分と近い年代の当事者の話として聞くと急に生々しい
75分程度と短いけど、家族の生活を軸としてコミュニティがどんなものだったかにかなりフォーカスしていて、Nasについてだけでなくヒップホップという音楽/カルチャーのバックグラウンドを知るという意味でもかなりリアルなところを感じ取れるのではないかと思う
なぜ彼らが金や成功やドラッグについて歌うのか。人種差別と貧困と、それらによる選択肢のなさと、連帯と闘いと、厳しく何も変わらない現実。Nasの話ぶりはラップと同じで、ストーリーテリングという意味でもフロウ的な面でもいつのまにか人を引き込む魅力がある
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