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沈黙ーサイレンスーのdoracoのレビュー・感想・評価

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)
4.1
017.03.25
キネカ大森
A、O

観終わった瞬間は、ほう~っとため息が出ました。
トークショーでも話が出たように、あんな話なのに後味が悪くない。だからこそ、いろんな解釈の余地を残せたのではないかと思いました。

篠田作品にはないというスコセッシ作品のラスト20分が、「沈黙」の意味を際立たせていたと思います。

フェレイラ神父とロドリゴの「転び方」の違いは、フェレイラは自身が拷問に耐えられなかったことに対して、ロドリゴは拷問に苦しむキリシタンの民のために転ぶ。
それがあのラストへの布石となります。
それはスコセッシ監督や観ている人たち、さらに言えば長崎奉行所の面々(きっと一度はキリシタンだった人たち)の希望だったのかもしれません。

そのラストとロケシーンの凄絶さが素晴らしかった。
キャストの演技の上手さも併せて、この映画は映画として良かった。敢えておもしろかったと言いたい。

上映後のトークショーも、とても楽しませてもらいました☆
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