まお

最後の命のまおのレビュー・感想・評価

最後の命(2014年製作の映画)
3.2
・原作になのか、脚本になのか、演出に、なのか分からないが、「結局なんて?」って感じの印象。香里はなんなの?無垢な心が傷付けられて、初めての被害者とさせてしまった(と、感じている)女の子を、最後に守ったよ。そうやって、苦悩しながらもこの歪んだ(歪みを押し付けられてしまった)世界の中で、ほんの少しでもよい世界を目指して人はもがけるんだよ、みたいなこと…?

・香里と主人公がくっつく必要あるか…??香里の不安定さに、レイププレイとの因果性があまり見受けられない…から、それを守りたいと思う主人公の動き、みたいなものもピンとこない。

・悪への恐怖(と、潜在的に人が持つ欲望への求心力)から逃れるために悪そのものになる、という心理自体は頷けなくはないけど、その境地に至るためには、よほど苦しんでないと、主人公よりむしろ苦しんでないといけない気がする。けど、主人公の方が基本苦悩しているように見えるので、甘えじゃん?という感じ。エロ本とかのふざけも、苦悩の(理解されない方向への)発露である、みたいに見えてないといけなかったのではないか。

・主人公の努力が見られなくて常に受動的だから、あまり共感できない。幼なじみとその典型的な被害者たる香里、ないし殺人事件など周囲の動向に基本的に流されるまま。最後彼を追いかける、とか、香里と何かを求めに行く、とかするのがその兆しなのかもしれないけれど、そこに辿り着くまでに払われた代償が本人に関係ないところで大きすぎ。
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