米粉

パパが遺した物語の米粉のレビュー・感想・評価

パパが遺した物語(2015年製作の映画)
5.0
涙でみなとみらいが沈んだ。
劇場で予告を見るたびに毎回泣き、YouTubeで見てはそこがカフェであろうと電車内であろうとボロボロ泣くという1ヶ月を過ごしてきたので、今日の公開は本当に心待ちにしていた。
(恐ろしく素晴らしい予告なので、未見の方はぜひ! http://youtu.be/AyIyPWZKr7E)
試写で一足先に観た人たちの微妙な反応に一抹の不安を抱えつつ劇場に足を運んだが、結果的にはハンカチで鼻をかむレベルまで泣いた。
明日以降、CloseToYou聞くだけで泣けると思う。
父娘の話に泣けた、というよりも、娘ケイティの現在の姿に過去の自分を投影してしまい、もう泣けて泣けて仕方なかった。
今ある最高の幸せがいつか消えてしまうことが怖くて、自らその幸せを壊してしまうケイティ。
彼女は典型的な回避型の恋愛依存症だ。
心の底では強い関わりを求めているのに、求める気持ちよりも失う怖さが上回る。
「自分の本性を知ったらきっと嫌われるに違いない」という不安と、「それを乗り越えられるような愛が欲しい」という気持ちが錯綜し、本当はずっと一緒にいたいという気持ちがありながらも、反比例するように自ら関係をめちゃめちゃにしてしまう。
わかるよー、わかる…
でもこれって完全に一人相撲なんですよね。
「自分は愛されるはずがない」と勝手に思い込み、無意識にその証拠を自分から探し求める。
相手がどんなに努力し、愛情表現したとしても。
こうした恋愛の仕方を変えたいのなら、まずは自分が「愛されていない証拠探し」をしているのだと気付かなければいけない。
そして、幸せを怖がらないこと。
幸せになってもいいんだと、自分を解放してあげること。
「ケイティの行動が理解できない」「感情移入できない」という声が多いけれど、経験していない人にはそりゃ到底分からないよな…と。
こういう映画が理解できるようになっただけでも、今までの忌まわしい経験も無駄ではなかったのかなと思ったり(苦笑
過去のレビューにも書いてきたけれど、自分の経験や知識、それがない場合は最大限の想像力で余白を埋められる映画が好きなので個人的にはハマったけれど、人によってだいぶ賛否の分かれる作品であることは間違いない。
いつも同じパターンで恋愛が上手くいかないとか上記の内容に何かしら思い当たる人はヒリヒリしまくる映画だと思うので、ぜひ劇場でハッピーエンドに涙してほしいと思う。
ケイティ、幸せになれよ!!!
米粉

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