NoriD

野火のNoriDのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
4.2
戦争最前線。もはや、「生きる」ということが何か分からなくなってくる。どうにかして生きたい。これは、生物的な欲求。つまり生理的なもの。しかし、人には理性がある。社会を生きるために必要なコード。そのコードはこの極限の状況で消え去る。生きるためには食べなくてはならない。身を守らなければならない。その為には仲間でさえも殺す、食べる。
その狂気は本気であるし、そうするしかなかった。正気に戻れば、それは狂気となって脳裏にこびりつく。そして、死にたい、楽になりたいと思うようにもなる。でも、生物的にはいきたい…
その永遠の葛藤と地獄のような環境。戦争を知らない僕たちは、昨今の美的家族映画に涙するよりも、「戦争」とはなんなのか、「生きる」ということはなんなのかをこういった映画から感じ取ることが大事だと思う。
最近の戦争映画は美しすぎるから…
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