だいき

野火のだいきのレビュー・感想・評価

野火(2014年製作の映画)
3.6
たまたま知り合った映画好きの方に、「日本の戦争映画は反戦思想の押し付けがましいプロパガンダ映画ばかりでホント終わってる」みたいな事言ったときに、割とフラットな目線で戦争描いてますよ、って勧められたのがこの映画。

実際観てみると確かに変に偏向して描いてはいないものの、映画中に主人公の精神状態を映像化させたような表現が多くて、果たしてこれが純粋な戦争映画としてカテゴライズされるのかどうかは分からなかった。

そんな感じだからただただ不思議な感覚で観てたんだけど、全般的に音の表現に関しては優れていて、夜間に匍匐して高地を抜けようするシーンでの無音で暗い中、装備品や衣服が擦れる音のみが静かな中響いてる所とかめちゃくちゃ生々しくリアルで良かった。

基本的に戦争映画観る時って、「戦争って良くないな」とか「戦争って悲惨だな」とか分かりきった単純な感想よりも、より具体的な点にフォーカスして観る事が多いんだけど、今作に関して言えば兵站を軽視した軍隊の悲惨な末路というか、兵站戦略の重要性を強く感じさせる映画だったように思う。
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