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THE LAST -NARUTO THE MOVIE-のminnのネタバレレビュー・内容・結末

THE LAST -NARUTO THE MOVIE-(2014年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

10年以上に渡る長期連載が終わり、その最後を飾るにふさわしく「THE LAST」と名付けられたこの作品。ファンなら期待しないわけがない。その結果がこの点数なので、一番切ないのは私です。以下、不満たらたらなレビューなので読み飛ばし推奨です。

ナルトとヒナタが結婚するまでのストーリーということはもちろん知っていたし、ヒナタの初恋が実ったことはよかったと思う。観ていて何度か涙腺が弛んだのも事実。でも、私が観たかったのはやっぱり「少年漫画」としてのNARUTOであって、ベタベタな少女漫画ではない。

だいたい、ナルトはサクラちゃんを長いこと好きだったのが原作で描かれていたにもかかわらず、ヒナタの強い気持ちを知った途端、そっちに流れるというのはどうなのか……まあそれはまだ良いとしても、サクラちゃんを好きだというのはサスケへのライバル心からであり、本当の恋愛感情とは違った、というのを当のサクラちゃんから言わせてしまいそれでおしまいというのは、あまりにもひどい脚本ではないだろうか。今まで原作で描かれていた、サスケとナルトの間で揺れるサクラちゃんの複雑な心境なんかはどこへいってしまったんだ。

そういう恋愛事情を抜きにしても、まず普通に月に行って重力を全く無視してバトルを始めたり、酸素もないのにどうやって呼吸してるんだろうとか、突っ込んだら負けだけどやっぱり気になってしまうようなポイントもたくさんあった。

また、「THE LAST」と銘打ってはいるものの、主な登場キャラは一部のみで、全く台詞のない同期のキャラもたくさんいて、そこも不満だった。どうせなら皆に活躍シーンを作ってほしかった。ラスト付近ででてきた月破壊マシーンも意味不明すぎる。あんなものを作れるなら戦争ももっと早く終わっていたんじゃないか……ご都合主義にも程があるでしょう。

本来もっと強いはずのヒナタを、ナルトに助けさせるためにすごくか弱い感じに描いていたのももやもやするし……不満な点を挙げたら本当にきりがない。多分、作者は自分が結婚して幸せなので、ナルトや他のキャラにも結婚させたくてこういう終わり方にしたのだと思うが、愛する人と結婚するのが一番の幸せなんです、という主張が全面に押し出されていて、なんだかなあと思ってしまった。

もちろんそれも一つの幸せの在り方には違いないが、それだけではないだろうと。ナルトとヒナタに視点を絞って描かれた作品なのでそう感じただけなのかもしれないが、ジェンダー固定的だし少し古臭いと感じてしまったのも事実。まあ一言で表すと「ナルヒナ大勝利」な映画。トネリは結果的に婚活コンサルタント(過激派)的咬ませ犬みたいなポジションで、同情しか湧かなかった。

2014.12.11 @UC
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