ビョーキノオタク

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのビョーキノオタクのレビュー・感想・評価

3.0
原題が「Demolition(解体)」なのになんでこの邦題になるんだよ、と興味をそそられた映画。
(そして映画を最後まで観て、この邦題で大正解だと感じる)

主人公は他人に無関心で、他者との会話もどこか上の空。(お前は俺か)

奥さんを事故で失っても何も感じない。。。ように見えて、モノを分解したり、列車の緊急停止レバーを唐突に押してみたり、自販機のクレーム対応窓口に自分の身の上話を長々と書き綴って送ったり。。。と奇行が目立つようになってくる。

でもこれって、「分からないモノを分かろうとする」ことの表れ。
劇中でも「心の修理は自動車の修理と同じだ。まず解体して、悪いところを見つける。そして組み立てる」とセリフがあるとおり、他人に無関心だった主人公は「分からないモノを分かろうとして」分解したり、自分の身の上を描き綴って客観的になることで自分の気持ちを分かろうとする。

「子どもの頃、かけっこで1位になれなかった事が心残りかな」と話すシーンが、ラストシーンに繋がってきて心がじんわりクる。