"亡くしてから初めて大切であったことに気付く"よく聞くこのフレーズをまさに体現したような作品。
今作は、妻を亡くした男が思い出に浸ったり、別の女性に慰めてもらい心を修復してもらうようなよくある生温い物語ではないです。
妻を亡くした男が、とにかくものを分解、そして破壊し、堕ちるところまで堕ちていきまくるお話です。
私自身、割と最近身近な人を亡くした経験があるので本作のデイヴィスの気持ちは凄く良くわかった。
亡くした直後はほとんど実感がなく不思議と感情が湧いてこない。だけどフトした瞬間に、心が追い詰められたような気持ちになり苦しくなる。
大事なものを亡くした人の心はそう簡単には修復できない、という描写が非常にリアルだった。(とある超絶ぶっ壊しシーンは非現実的過ぎてついていけなかったけど)
しかし本作は絶望ばかりでなく希望を見出すシーンもしっかりあるのが良かった!
妻への想いが確信へと変わっていく過程、そしてこれまたラストの展開にやられました。
『壊れたモノは、分解して再び組み立てればいい。』
心を再び組み立てる為にデイヴィスが行ったこと。感動です。
ロマンチックなタイトルとはかけ離れた渇いたシーンが続くのは意外でした笑