だいき

世界一キライなあなたにのだいきのレビュー・感想・評価

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
4.1
2016年公開映画91本目。

人生の過ごし方は人それぞれだ。

コテコテのラブストーリーかと思いきや、想像以上にコメディでライトながら尊厳死や安楽死にも触れる人生の過ごし方について描かれたしっかりしたドラマだった。
『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ターミネーター』から逞しい女性のイメージが強いエミリア・クラークだが、この上なく天真爛漫で表情豊かなドジな女の子役を演じており、見ていて楽しいという単純なキャラクターの魅力が良かった。

自分の家族が、自分の友達が、自分の好きな人が、自分の意見と合わなかった時、その意見を尊重できるのか。
その意見が本作では「死」についてである。
安楽死は個人の価値観だから、認める人もいれば認めない人もいる。
一方的ではなく、ちゃんと色々な考え方を含んで、多角的な視点で捉えることができるようになっているのは素晴らしい。

逆に四肢が不自由になってしまった青年が、王子様感漂わせ過ぎ。
確かにこういうキャラクターにしないと話が成立しなくなるのは重々承知しているが、こんな奴なかなかいないですよ。

エミリア・クラークの今まで作品で観ることのできなかった可愛いらしくて楽しそうな姿と、それによるポップかつユーモラスで極力重くしないようにした映画全体の雰囲気は良かった。
原題の『Me Before You』通り、君に出会う前の自分と、出会ってから君の前にいる自分が描かれている「あなたより自分」ではいけないことを教えてくれる作品でした。

邦題が意味不明すぎて弁解の余地もない。
劇中で「私は人を嫌いにならない」と言ってましたけど。
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