このレビューはネタバレを含みます
自宅で。
2015年のスパイ映画。
監督は「マクラーレン〜F1に魅せられた男〜」のロジャー・ドナルドソン。
あらすじ
かつてはCIAに所属し、「ノーベンバー・マン」と呼ばれていたピーター・デヴェロー(ピアース・ブロスナン「ファイナル・スコア」)は現在は静かに隠遁生活を送っていたが過去に愛した元同僚のナタリア(メディハ・ムスリオヴィック)が危険に晒されていることを知り、彼女を救出するためモスクワに向かう。だが、ナタリアはミッションの最中、デヴェローの目の前で殺されてしまう。ナタリアの殺害を命じたのがかつて所属していたCIAであり、ナタリアが次のロシア大統領候補の有力候補の過去の戦争犯罪について調べていたことを知ったデヴェローはその秘密を握る10年前に行方不明になっているミラという女性の手がかりを探しにセルビアに向かう。
Netflixにて、なんとなくスパイものが観たくて鑑賞。
主演はピアース・ブロスナンということでどうしてもボンドを連想してしまうんだけど今作のブロスナン演じるデヴェローはすでに引退生活を送っており、そこから過去に愛した女がピンチなので助けてくれまいかーと頼まれたことから話が始まる。
ナタリアが開始早々射殺されちゃったことで憤ったデヴェローはそこでかつて自分が指導した弟子的な存在であるデヴィッド(ルーク・ブレイシー「ハクソー・リッジ」)がナタリアを手にかけたことを知ってしまう。
ということで、ブロスナン無双というよりはかつて師弟関係にあった者同士が戦う系。
面白いのはこのデヴィッド、決して悪い奴じゃないということ。デヴェローの元恋人を殺してしまったことに罪悪感とまではいかないけど曇った顔を見せるし、アパートの隣人とも紳士的な態度で接した上、いい感じになった後、デヴェローに人質に取られた際もちゃんとフォローしてあげるし、なんか憎めないキャラクター。
だから、デヴェローとデヴィッドそれぞれが正義と悪役の役割を代わりばんこに行ったり来たりするのが興味深い。途中のブロスナンの恫喝なんか普通にこえーもんなぁ。
けど、そんな攻防の最中どうやら元を正すにはもっとでかい存在を倒さなきゃならねぇとCIA上層部やロシア大統領候補まで相手取って孤軍奮闘するデヴェロー。
ただそこら辺になってくると東西対立とかのスパイものとは切っても切れ離せない国際情勢のきな臭い話が展開されるので、そういうのが苦手なオレにとってはぶっちゃけよくわかんなかったというのが正直なところ。
ただ、本作の重要人物サラがあの人だってことはキャスティング然りもうすぐにわかっちゃったな。でしょうな!って感じ。
デヴェローかデヴィッドどっかが死ぬんかなと思ったらそうならなかったのもまぁアリでしょう!デヴィッド結局いい奴だったんだな!
ただ、本作の白眉はラストシーンにこそあると思った。まさに最初から最後まで「悪役」だったあいつがいけしゃあしゃあと豪華クルーズで逃げ果せたところ狙撃で一発!客船から転げ落ちるところで終わるって潔し過ぎでしょう!このラストはスタイリッシュ!