ねこたす

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイションのねこたすのレビュー・感想・評価

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いやー、やっぱり面白いこのシリーズ。
前回から仲間入りしたレナー演じるブラントと、お馴染みのベンジー、ルーサーの掛け合いが楽しい。

冒頭予告でお馴染みのシーン。スペクターでも思ったことだけど、普通なら映画終盤で使いそうな見せ場を最初に持ってくることで、それ以上の見せ場を出し惜しみできる。挨拶代わりにもなるし、効果的だ。
何より、このアクションシーンを実際にトム・クルーズが演じているのだから驚きだ。メイキングでは、彼の映画作りの情熱が語られる。トム・クルーズにもしものことがあったら、洒落にならない。多くの関係者、スタッフが心配しつつも、それでもトム・クルーズに協力し良い映画を作ろうとする。
ワンカットで離陸し、地面がどんどんと離れていく画の素晴らしさといったらない。

定番のミッションを受けるくだりも、こんなところにまで拠点があるのかという驚き。そして、観客を驚かせる。

ゴースト・プロトコルの感想でも書いたが、クレムリンで起こったことは影響が大きすぎるのではないか?と。
それが無かったことになっていなくてよかった。それがIMFそのものの危機につながる。
毎度のごとく支援は得られない。いつだって独立愚連隊なのだ。問題起こし過ぎだもの。それが楽しいのだけれど。

何やら怪しい組織"シンジケート"
棒からの抜け出しアクションにも目を奪われる。命を救ってもらった女性が誰かを気にする。

ウィーンでの古典的なシークエンス。それでも古さは感じない。メガネ越しの会話にすることで、歩きながら続けることができる。物語が停滞しない。
ミュージカルをバックにしたアクションも画がキマっているし、まるで電子ペーパーのような新しいガジェットもかっこいい。このシリーズの魅力の一つだ。

そして、一発の銃弾に二人。選択を迫られた時に取る行動の鮮やかさ。暗殺にいくつもの保険をかけている敵のプロフェッショナル性を描きつつも、その中で最適解を探すイーサンとの攻防。

入れないと思われているところに侵入するのがMI。ベンジーの手際もよくなっているし、窓ガラスの破壊方法も新しい。
そして、見ているこちらも息苦しくなるようなアクション。バックに流れる心音が少しずつ少しずつ、早くなっていく。
イルサも、完全には信用できないように見えるところもポイント。

カーアクションも見応えがある。純粋にアップデートされている。いくらでもスタントが使えるし、今時CGでなんでも出来てしまう。そういった現状でも、俳優として出来ることをやっていくトム・クルーズという男は素晴らしいな、ほんと!

敵の罠も、世相を反映している。どちらを取るか?と問われ、どっちも取ってやるよ!という少年漫画のような熱さ。仲間をしっかり描いてきたからこそ、活きる場面だ。
現実的じゃなくてもいい。映画なのだから。そもそも、不可能なことに挑んでいくようなお話。
そして、やられたら同じ方法でやり返すイーサン。らしさが表れてるし、カタルシスたっぷりだ。

僕らのJJエイブラムスの3作目が一番好きだったが、それと同じぐらい今作も好きだ。俄然次の作品も観たくなった。楽しみ。
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