本作で描かれる戦争がＳＦではなく、今現在、実際に行われていることに恐怖と戦慄を覚える。一度ロックオンされたら逃げ場がない。イーサン・ホーク演じるトミーは空軍パイロットとして実戦経験もある。妻との最初のデートに自分が操縦する飛行機で空を飛んだほど、空軍パイロットという職業に誇りを持っていた。私はこのエピソードが好きだ。よく似た映画に『アメリカン・スナイパー』があるが徐々に心身を蝕まれる軍人の姿を『ドローン・オブ・ウォー』も描いている。眼前であろうと遠隔であろうと、戦争という国家間の諍いで行われる殺戮は確実に人の心を病む。色々と示唆に溢れた作品なので、今こそ観るべき作品だと思う。
