高嶋監督が多数受賞している映画です。改札の切符を通す機械のなかには実は人が入っていて……というヒューマン映画です。近頃では主流となってしまったスイカなどのICカードをめぐっての仕事上での問題や家族との問題など様々な苦悩やその仕事を通じての喜びなどが上手く描かれています。とても面白い作品でした。

自動改札機の中に人がいて、神業のスピードで切符をさばいている。
そんなフィクションのなかに現代社会の抱える問題も感じてしまう不思議な作品。

日々技術を磨き、自分の誇りをもって働く主人公の姿に、便利な暮らしや技術の進歩、私たちの未来について、立ち止まって考えたくなる。バカリズムのコントから着想を得たとのこと、なるほど。

時代の変化により失われていく職業は、これまでも沢山あっただろう。
それは技術職や職人たちだけではなく、
私たちが当たり前に暮らしている生活を陰で支えている裏方の人たち。

本作品は表には見えない「中の人」という設定だからこそ、そんな名も無き仕事人たちに「ありがとう」とエールを送りたくなった。