milkshake

わたしに会うまでの1600キロのmilkshakeのレビュー・感想・評価

4.0
過去を清算する為の一人旅を決行する女が、少しづつ自分を取り戻す話。

最近のリース姐さんの汚れ役体当たり演技も目をみはるものがあるが、今回はローラダーンの優しい母親の演技に只々泣けた。
この人ワイルドアットハートのイメージがあったけど、この前観た「きっと星のせいじゃない」の時も思ったけど、包みこむような母の優しさを表現するのが上手いなぁ。

物語のクライマックスである出会いがあるんだけど、そこで彼女の魂は浄化される。
ちなみにトレッキング途中出てくる中年女性は、この原作者だそう。
すごくヘルシーでカッコよいおばさまだった。
麻薬に手を出したのも、「何事も経験するがモットー」な彼女の好奇心からだった。元々前向きで、詩を愛する芸術的な才能のある彼女だから、傷を文学として昇華させる事が出来たのだろう。

ジャンキーになって男にモノのように扱われて、自分を愛する旦那を傷つけ、自分も傷付く。
その経験は、彼女の大きな喪失感を癒す為に必要だったのか。

分からないけど、結局、人は人によって傷付き
人によって癒やされる。
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