理屈じゃないの

キャロルの理屈じゃないののレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
3.9
外見、仕草、纏う雰囲気、そういったもので二人の人間が惹かれあい、視線を交わし、想いを重ねていく
所謂一目惚れの物語。
私にとっては感情移入して涙するというよりは、その美しさに息を呑むような恋物語でした。
画面が美しいということではなく(それもあるけど)、とてもとても稀有な恋なのだと思う。

「あなたが私を変えた。」
というコピーがつけられていましたが、その通りにテレーズの変化が本当に蛹の羽化のように美しい。
特にあのラストシーンといったら。
アカデミー賞にはルーニー・マーラは助演女優賞でノミネートされているけれども、(受賞に値するかどうかはさておき)主役はテレーズの方だったように思いました。
まぁキャロルはタイトルロールだから助演じゃおかしいか。

二人での車での移動のシーンが殊更長く、それもほとんど、車の外から撮っている。
中でなされている会話を聞かせることも少ない。
窓ごと映した画面には、二人の表情と一緒に外の景色が映り込み、その表面を滑っていく。
世界から逃げて、隠れた二人だけのシェルターのようでした。
キャロルとアビーの乗る車はコンバーチブルで、会話もオープンだったしね。
何にせよ
同性だからということを強調するような映画ではないのだけれど、
この時代の彼女達の前に立ちふさがるものに思いを馳せないではいられない。



長々と書いてきたことを台無しにするつもりはないけれども、ケイト・ブランシェット様美しすぎかよ。
ルニちゃんも可愛いし、なんというか、二人がちゃんと密に関係つくって挑んだんだろうなぁと感じました。
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