一言で表すと「うっとり」です。
ブランシェット様、ルーニーマーラ、50年代の雰囲気づくり、音楽と、終始うっとりしてました。
好きですこれ。
テレーズのヘアバンド、サンタ帽子、普段帽子がめちゃくちゃ可愛い。
時々テレーズ目線のカメラがあるのに、なぜタイトルが「テレーズ」ではなく「キャロル」なのだろう。
「アデル」とはタイトルの付け方が対照的だ。
恋をすると、急に周りの身近な人の嫌な部分が見えてしまって、うんざりするところなんかあるある過ぎる。
キャロル=幻想、テレーズ=現実の交わりが後半になるにつれ変化していく。
テレーズも「家」とか「ミセス」とか現実に引きずり下ろしてなかなか意地悪である。
でもこれはテレーズなりの「幻想より現実も見よう」という思いやりだと解釈した。
対してキャロルの答えがアレだという事だったのかなと。
この映画、二人の微妙な表情が面白い。
ランチのシーンを始め、会話シーンでお互いの表情がよく見える角度がまた良い。
恐らく意図的だと思うが、この奥行きと、距離感を表す横のカットが多かった。
「出会いの場」のシーンも、本当にうっとりする。
宣伝でも推していたが、それだけの事はあると思う。
テレーズ側とキャロル側の、相手を見つけた時のシーンは本当に素晴らしいです。
ただベッドシーンだけはなぜかダサく見えてしまった。
もっと神秘的に撮れたと思うんだけど…
キャロルはテレーズに心を開いてないように見えたけど、後半になってから納得できる。
個人的には同性愛という感覚は薄く、この映画については同性か異性かは(親権問題はあるにせよ)さほど問題ではないと思った。
ひょっとすると恋愛モノでもないかもしれない。
ただ劇中に出てくる男性が割と自分勝手に描かれてたのは気になった。
ラストシーンからどう展開するのか、先が見たくなりました。