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キャロルのmiuのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
4.1
恋や運命なんて言葉は時にとてもチープに聞こえるけれど、きっと出会った時から愛してしまった時からそのチープささえ、心を蝕むような渇望の糧となるんだろう。
ルーニー・マーラの可憐さとケイト・ブランシェットの儚げで危うい美しさがあまりにも芸術的で目が話せなかった。衣装の細やかさも、よりキャロルの世界観を際立たせていた。
娘を愛し、テレーズを愛したキャロルは良くも悪くも大人な女(ひと)で、故に娘の行く末を案じ自ら身を引く潔さと、同時に若きテレーズへの想いをもう一度手に入れる貪欲さを持ち合わせていることがそれを象徴してるんじゃないか。
鑑賞後、人はきっと惹かれるべくして惹かれ合うのだと言う、普段は鼻で笑ってしまうような言葉さえ信じてしまいたくなる、そんな映画。
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