劇中のセリフでもあったが、理由もなく惹かれてしまうということがひとつのテーマ。だからか、キャロルとテリーズの惹かれ合う理由もかなり端折られていたように思う。女性がたまたま女性に惹かれただけ。性別云々ではなくその人そのものに、なのかな。
時代的にも現在にもまして不寛容で、同性愛は間違いなく非道徳的なことだったのだろう。
そして何より大きいのが娘の存在。
テリーズが写真を撮る意味がわかりづらかったが、キャロルの写真とそれをしまう仕草に、いわば偶像化と偶像破壊のようなものかと理解した。キャロルは憧憬の対象の域を出ていないのではないか。
ルーニー・マーラ、かわいいと綺麗が同居していた。すばらしい。ラストもよかった。